多くの渡り鳥の故郷は、北極方面です。北極は、南極に比べて繁殖や子育てに適しているのでしょうか。記事では、子育ての時期に、多くの鳥が北極を目指す理由を推測して紹介しています。北極は、極寒の地では無く、子育てには丁度良い環境だったようです。
多くの渡り鳥が北を目指して繁殖する理由
多くの渡り鳥は、北極方面に移動して繁殖します。
北極圏の環境
北極圏の夏は日照時間が長くて気温も上昇します。そのために多くの植物がいっせいに開花します。
すると、想像できない程の多くの昆虫も発生します。小さな昆虫は、鳥類にとっては貴重なエサになります。
つまり、虫が豊富にいれば簡単に捕獲できるので、子育てには願ってもない環境です。
また、夏至のころの北極圏には夜がありません(白夜です)。平坦な草原が広がっているツンドラ地帯では、天敵を直ぐに見つけることができます。
このような環境は、子育てには最も適した場所なのでしょう。
地球環境の変化による影響
はっきりした真相は判っていませんが、地球の長い歴史をみると気温が冷えた寒冷期と温暖化が進んだ時期は周期的に発生しています。
鳥類は、飛んで移動できるため、地球上の大きな環境の変化に応じて、エサ場や生活に適した環境を求めて移動できます。
鳥類は、地球環境の変化で、南下や北上をすることが遺伝子に記憶されて、今日の渡り鳥の行動を形成したのでしょう。
羽を持っている鳥だからこそ、海を越えて、このようなことができたのでしょう。
多くの渡り鳥が、南極を目指さない理由
多くの渡り鳥が、南極を目指さない理由は、次のことが考えられます。
南極に行かない理由
南極は大きな陸地ですが、常に厚い氷におおわれていて北極圏にあるようなツンドラ地帯はありません。
また、南極には陸地があるため、海水温の影響を受けずに、どんどん気温が低下してしまいます。極地の気温は、南極と北極では、全く違います。
南極の気温は想像を超える極寒の地になります。
そのため、海の中の生物は豊富ですが、多くの鳥類の繁殖には適していません。鳥類の仲間で頑張っているのはペンギンぐらいでしょう。
まとめ
人間が考えると、わざわざ寒い北を目指して繁殖・子育てをしなくても良いのではと思います。でも、北極圏は人間が考える以上に食料が豊富です。また、平坦な草原は、天敵を見つけやすい環境です。
空を飛べる鳥類にとっては、子育てに適した環境なのです。
また、地球環境の変化による影響も、見逃せません。
長い地球の歴史を見ると、気温が冷えた寒冷期と温暖化が進んだ時期が周期的に起こっていますが、鳥類は、飛んで移動できます。
そのため、地球規模での環境の変化に応じて、南下や北上することが遺伝子に記憶されてしまったのでしょう。
南極は極寒地のため、不適です。そのため、北半球に生息する鳥が、わざわざ、暑い赤道を通過して、南極に行かなければならない理由はありません。
食べ物が豊富にある北極方面は、子育てをする渡り鳥には、理想の地なのでしょう。