ハクチョウの寿命は、諸説あります。実際に自然界のハクチョウの寿命を実測データで示すことは困難のため、さまざまな方法で推測されています。仮説では、心拍数との関係で求めたものがありました。記事では、ハクチョウの心拍数から寿命を推測しています。
心拍数から算出したハクチョウの寿命
地球上の生物の心拍数と呼吸数には一定の関係があります。心拍数と呼吸数の比は、4:1と言われています。この関係を利用して、下記のようにハクチョウの寿命推定をしています。
ハクチョウの寿命推定結果
ハクチョウの寿命推定をするに際しての、前提を次のように仮定して算出しています。
- 鳥類の心拍数
鳥類の臓器機能の細胞角質から耐用数値を考察すると、12億回と言われています。 - 生涯の呼吸数
地球上の生物の心拍数と呼吸数との関係は(4:1)です。これを適用すると、鳥類の一生の呼吸数は、3億回です。(12億回の1/4) - 1分当たりの呼吸数
飼育下のハクチョウの心拍数は(80回/分)というデータがあります。心拍数の1/4が呼吸数のため、ハクチョウの1分当たりの呼吸数は、20回になります。
これらの数値を使ってハクチョウの寿命を算出すると、次のような結果になります。
- 1日あたりの呼吸数
20(回/分)×60(分)×24(時間)=28,800回です。 - 生涯の日数
3億回呼吸すると「寿命」と仮定した場合は、3(億回)/28,800(回/日)=10,417(日間) - 寿命
1年は、(365日)です。10,417日を、年に換算すると、28.5年と推定されます。 10,417(日間)/365(日)=28.5年
実際には、渡りもするし、毎日のねぐらや、エサ場等の移動もある為、かなりのエネルギーを消費する活動をしています。これらを一定の仮定で考慮して算出すると、ハクチョウの寿命は22.6年と推定されます。
これは、色々な仮定条件を設定して事故死などは除外して算出したものです。この算出結果は、当たらずも遠からずと思えるような結果でした。
実際は難しいハクチョウの寿命推定
野生の鳥の寿命は、調べるのは困難です。
自然界では、タマゴで生まれても直ぐに天敵に食べられること等のため、平均した寿命は短いと推測されます。また、天敵に襲われるだけでなく、悪天候や、病気なども想像以上に多いでしょう。
さらに、成長した鳥の活動範囲は広いため寿命のモニターは容易ではありません。
自然界のハクチョウは遠方より渡りをしています。しかも、毎年同じ場所に飛来するとも限りません。また、集団で行動するハクチョウの個体特定はできません。
このような事情で、自然界のハクチョウの寿命をモニターするのは、不可能でしょう。
まとめ
自然界のハクチョウの寿命をモニターするのは困難なため、生物の心拍数と呼吸数との関係(4:1)から寿命を算出しました。
結果は、28.5年でした。さらに、実際のハクチョウの活動などを考慮すると、ハクチョウの寿命は、22.6年と推定されました。
自然環境でのハクチョウの寿命推定は困難です。但し、分かる範囲で平均寿命を調べると次のような結果でした。
自然界のハクチョウの平均的な寿命は、(15年)で、長寿のハクチョウは、20年程度と言われていました。
この結果は、今回行った、生物の心拍数と呼吸数との関係(4:1)から算出した寿命と近いことがわかりました。
ちなみに人間の場合で算出すると、実際の寿命を大きく下回っています。
日本人の場合は肉食になってから大幅に寿命が延びたと言われています。実際には、さまざまな要因が影響しているため、心拍数と呼吸数との関係だけから寿命推定するのは無理なのでしょう。