地球は昆虫の惑星

コガネムシ 昆虫・虫
コガネムシ

昆虫は、4億年前に出現して以来、地球環境の変化にも順応してきました。記事では、昆虫の進化と分類を大まかに整理しています。動物界最大の規模を誇る節足動物は、110万種を超えています。そして、節足動物の中でも大部分を占めているのは、昆虫です。

地球上で大繁栄した昆虫という生物

昆虫は、海の中以外の、どんな環境にも適応して膨大な数の種がいると言われています。

昆虫は、凡そ4億年前に地球上に出現してから、地球環境の変化にも対応して大繁栄しています。次に、昆虫の進化と学問的な分類を通じて、昆虫を簡潔に整理します。

昆虫の進化

  1. 昆虫の出現時期
    化石の発見や、地球環境の変化(植物の陸への進出や樹木の誕生)等から、昆虫の祖先は、およそ4億年前には出現していました。尚、原始昆虫の体は、6脚で、頭部・胸部・腹部に分れていました。当時の昆虫は、翅(はね)は持っていませんでした。
  2. 翅のある昆虫の出現
    翅を持っている昆虫は、石炭紀(3億5900万年~2臆9900万年前)の地層の化石から、多数発見されています。
    この時代に、トンボ、ゴキブリ、バッタなどの祖先が出現しています。ところが、ぺルム紀(2臆9900万年~2臆5100万年前)には、それらの多くは絶滅しています。生き残った昆虫の仲間は、カワゲラ、アミメカゲロウ、コウチュウ等の新しいグループです。
  3. 植物と昆虫の共存関係
    中生代(2臆5100万年~6500万年前)になると、植物の進化は大きく進みました。また、昆虫界では、ハエ、ガ、ハチなどが出現して、花粉授受の役割を担っています。この時、植物と昆虫の依存や共存関係が生まれました。
  4. 鳥類や哺乳類の進化に伴う寄生昆虫の出現
    中生代のジュラ紀(2臆年~1億4500万年前)になると、鳥や哺乳類が爆発的に進化して数を増やします。すると、これらの生き物に寄生する新たな昆虫(シラミ、ハジラミ、ノミなど)が出現しています。

昆虫の学問的な分類

現在の昆虫の学問的な分類では、頭部とあご部周辺の形から、内顎綱(ないがくこう)と、外顎綱(がいがくこう)に分けられます。そして、さらに細かく分類されています。但し、分類は複雑のため、今回は割愛します。

尚、昆虫の、目(もく)レベルの分類や系統は、形態的な面から分けようとして、様々な仮説が唱えられ、困難を極めています。

そのため、1990年代の後半からは遺伝子解析による分類も試みられるようになっています。

《生物の学問的な分け方》
生物の学問的な分け方は、界の中に、門(もん)があります。そして、門以下は、綱(こう)→目(もく)→科(か)→属(ぞく)→種(しゅ)と続きます。

遺伝子解析の結果は、定まった分類には至っていませんが、昆虫に最も近縁な生き物は、甲殻類(こうかくるい)と推測されます。甲殻類(こうかくるい)とは、エビやカニのような生き物です。

従来は、ムカデやヤスデのような多足類が、昆虫に最も近縁と考えられてきました。ところが、遺伝子解析の結果から、昆虫の祖先は水の中にいた甲殻類から進化した種と推測されるようになりました。

昆虫種は地球上の生物界で最大

以上のように昆虫の学問的な分類は、まだ明確には定まっていないようです。しかし、昆虫は地球上の海の中以外のあらゆる場所で生息しています。

動物界最大グループの節足動物は、110万種を超えていますが、その大部分は昆虫が占めています。1998年の調査では、世界中の昆虫は、凡そ94万3000種でした。

ところが、今も年間に数千種以上の新種が確認されているのは、このような理由の為でしょう。

まとめ

世界中の昆虫は、500万種から1億種いるのではないかと推定されています。昆虫が膨大ということだけは分かっていますが、どれくらいいるのかさえ判っていないのが実情です。

そのため、昆虫の新種は発見され続けています。

ちなみに、人間を含んだ哺乳類は、凡そ5000種です。確かに、人類は地球上で最も知的な生き物ですが、実は地球の生物種の殆どは昆虫です。

このことから、地球は昆虫の惑星と言ってもよいでしょう。

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