ゾウムシの体が、とても硬い理由

ゾウムシ 昆虫・虫
ゾウムシ

ゾウムシは、硬い虫です。外骨格の性質によるものですが、外骨格は普通の昆虫と同じように、タンパク質とキチン質で作られています。では何故ゾウムシの体は硬いのでしょうか? その理由は、害虫被害対応の国の研究機関チームが解き明かしてくれました。

ゾウムシの外骨格が硬い理由

ゾウムシの外骨格は、他の昆虫と同じように、タンパク質とキチン質で作られていますが、外骨格が固くて虫ピンさえ刺さりません。

ゾウムシの体が異常に硬い理由は、ゾウムシ駆除のために対応した研究チームが、次のように究明しています。

ゾウムシの体が硬い理由

ゾウムシの硬い外骨格は、ゾウムシの体内にいる共生細菌のナルドネラル菌によって、チロシンが形成されたためでした。

チロシンによって、タンパク質とキチン質が強固に結合したため、ゾウムシの外骨格は、とっても強固になったのです。

ゾウムシを研究したチーム

ゾウムシは、農作物を食い荒らす害虫でした。そのため、ゾウムシは、国の研究機関、産業技術総合研究所などの研究対象でした。

同研究所などの研究チームは、ゾウムシ類を駆除する目的で、外骨格が硬い理由を調査しました。そして、2017年11月にゾウムシのが硬い理由をつきとめました。

この研究成果によって、研究チームは、共生細菌の機能を抑制するような新しい駆除方法の開発をしています。そのお陰で害虫駆除の道は、大きく開けました。

研究対象のゾウムシ

害虫駆除の研究チームが扱ったゾウムシは、沖縄県に生息している、クロカタゾウムシという種です。クロカタゾウムシの体長は、1.5㎝です。ゾウムシの中では大きな体長です。

そして、クロカタゾウムシは、マンゴー畑の木の幹や根を食い荒らす害虫です。

研究チームの着目点

研究チームは、世界で6万種以上もいるゾウムシの仲間の体内に、1億年以上も前から同居している細菌に着目しました。

そして、菌の役割を遺伝子解析で調査することで、原因究明しています。

本当に硬かったゾウムシの記憶

もう遥か昔のことですが、小学校の帰り道にちょっと寄り道をしてクヌギの木にいるゾウムシを捕まえた思い出があります。

今となっては、ゾウムシの種類は判りませんが、1㎝程の大きさで黒くてゴツゴツした体をした像のように鼻の長い昆虫でした。(実は、ゾウムシの鼻のように見えるものは、口です。)

その頃は、ゾウムシも頻繁に見かける昆虫で、興味もありませんでした。私がゾウムシを捕まえてみようと思った理由は、友人からゾウムシは虫の中で一番硬い虫と聞いたからです。

捕まえてから、さっそく指で押しつぶそうとしましたが、とても無理だと悟りました。

この時の記憶は、今でも忘れられません。

まとめ

クロカタゾウムシは、マンゴー畑の木の幹や根を食い荒らす害虫です。

ゾウムシは、ものすごく硬い体を持っている虫です。ゾウムシが硬いのは外骨格の性質によるものですが、外骨格は普通の昆虫と同じように、タンパク質とキチン質で作られています。

ゾウムシが硬い理由は、ゾウムシの体内に同居している共生細菌の、ナルドネラル菌が作る、チロシンによるものと判明しました。

ゾウムシは、チロシンというアミノ酸が作用して、タンパク質とキチン質を強固に結合するため、とても硬い昆虫になったのです。

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