ハクチョウは、向かい風を使って飛び立ちます。水面を走りながら羽を広げてバタバタさせて必死に浮揚します。今まで、ハクチョウが陸上から飛び立つ姿をみたことがありません。でも、河川敷から飛び立つハクチョウの写真を友人が見せてくれました。
ハクチョウの水辺からの飛び出し方
実際に自然のハクチョウをみると、大きさに圧倒されます。私は、数年前まで川にいるハクチョウを見たことがありませんでした。ところが、友人と共に北関東の川で泳いでいるハクチョウの群を見ました。
ハクチョウの群は、暖かくなると生まれ故郷に飛んで行ってしまいますが、毎年12月〜2月末頃までなら見ることができます。
ハクチョウの多くは、毎年同じ場所に来てくれるからです。但し、ハクチョウを驚かせてしまうと、来てくれなくなります。
川で遊泳するハクチョウを見た印象は、かなり体重が重そうでした。どうやって飛び立つのだろうと心配になった程です。
ハクチョウが水面から飛び立つ時のしぐさ
ハクチョウは、群れで遊泳しています。群れの中を詳しく観察すると、さらに親子の家族集団も混在しています。
ハクチョウは、遊泳している時も、家族だけでなく、いっしょにいる群の行動も絶えず観察し合っているように見えます。上流から向かい風が吹き始めると、群れの先頭にいるハクチョウ同士でうなずきあいます(首を上下に動かします)。まるで、合図を交わしているようです。
うなずき合う動作の直後、一斉に羽を広げて、上流に向かって走り出します。羽をばたばたさせながら走ることで浮力を得ているのでしょう。川面からフワッと浮き上がったハクチョウの群は、どこかに飛んでいきました。
ハクチョウが川面から飛び立つ時は、だいたい同じ動作をしていますが、一つ疑問が湧いてきました。湖や川で遊泳しているハクチョウは、エサを食べるために、田んぼや畑に飛んで行きます。
田んぼが柔らかければ、水が無くても大丈夫そうですが、離陸する時はどうやっているのでしょうか?
水のない場所でも向かい風があれば走って離陸できるのでしょうか?
これは、自然環境にいるハクチョウを始めてみた時から持ち続けてきた疑問です。もうあれから数年経ちましたが、地面から離陸するハクチョウの姿を見たことは有りません。
ところが、先日、ハクチョウ好きの友人が凄い写真を見せてくれました。
ゴロゴロ石の河川敷から離陸するハクチョウ
友人は、冬に河川敷で撮影したハクチョウの写真を見せてくれました。その写真は、河川敷でくつろいでいるハクチョウの群が飛び立つ瞬間の写真でした。
全てのハクチョウが飛び立たないのは、天敵に襲われそうになるなどの危機的な状況ではないことを示しています。
つまり、ハクチョウは、ひっ迫した状況ではないのに、大きな石がゴロゴロしている場所から飛び立ったのです。
ハクチョウは、脚を傷つけないように、上昇気流を受けやすい川面などで走りながら揚力を受けて飛び立つと考えていたからです。
友人の話では、向かい風に向かって飛び立ったようだ。ただし、ゴロゴロ石でも必死に駆けていたように見えたと言っていました。
ゴロゴロ石のあるような足場の悪い場所でも1〜2歩走ったのでしょう。すごい写真です。今まで、図鑑などでも見たことがなかったからです。
まとめ
今まで、体重の思いハクチョウが陸上から飛び立つ姿をみたことはありませんでした。
強い向かい風から揚力を受けて飛び立つことは想像していましたが、大きな石がゴロゴロしている足場の悪い河川敷から飛び立てるなんて想像もしていませんでした。
しかも、天敵に襲われるような異常事態への対処ではありません。
私は、いままでこんな写真をみたことがありません。さすがにカメラ好きのシャッターチャンスはすごいです。
久しぶりに来冬が待ち遠しい気分です。