世界一の長樹齢の木は、1万年に近い寿命だった

トウヒ 花・野草
トウヒ

木の寿命が長いことは判りますが、数千年以上もの寿命があるとは驚きです。現在世界一寿命が長いと言われているトウヒは、9,550歳と言われています。最後の氷河期が終った後に根付いたことになります。トウヒが、特別寿命が長い理由を紹介しています。

世界の長寿命樹木

木の寿命が長いことは、経験的にわかりますが、有名な長樹齢の木を調べると、桁が違っているのではないかと疑いたくなるようなものばかりでした。

日本の木では、屋久島の縄文杉で、放射線炭素測定によると、2,500年~2,700年と推定されています。イランのイトスギは樹齢4,000年~4,500年。イギリスのヨーロッパイチイの木は、樹齢3,000年~4,000年。アンデス山中のパタゴニアヒバの樹齢は3,600年。米国カリフォルニア州のブリッスルコーンパイン(マツ科)の樹齢は、約4,800年です。

遺伝子分析で、最も長寿と判定された木は、マツ科のトウヒで、樹齢は9,550年と推定されています。

世界最長樹齢と判定された経緯

現在、世界一と言われているトウヒの樹齢は、大学の研究チーム(スウェーデンのウーメオ大学)の調査で見つかっています。同大学の研究チームは、スウェーデンとノルウェーの国境付近の山で、およそ20本のトウヒの遺伝子を採取しました。なお、同大の本来の目的は樹種の個体数調査でした。

持ち帰ったトウヒの遺伝子を放射性炭素年代測定で分析すると、20本のトウヒの樹齢は全て8,000年以上で、最長の木は、9,550年の樹齢と推定されました。

放射性炭素年代測定では、トウヒの遺伝物質を測定して算出しています。この調査で、最長齢のトウヒは9,550年前の遺伝物質を根に持っていたため、9550年の樹齢と推定されたのです。

トウヒの幹は枯れないの?

今回発見されたトウヒの幹や枝などの寿命は、600年ほどと推定されていますが、トウヒの根は、9,550年でした。

トウヒの根は、地上部の組織が枯れて死んでも、生きています。そのため、地上部の組織が死んでも新芽がでてきます。

大学の研究チームによって発見された、9,550歳の樹齢木は、低木の多い山中で見つかって、高さは4メートルほどでした。発見された地域は、厳しいツンドラ地帯のため生長が抑えられているのでしょう。

トウヒは、幹が枯れても、根は生きていて再生することから長樹齢になったと考えられています。

トウヒは日本にもあるの?

ドイツトウヒは、別名ヨーロッパトウヒ、ドイツマツなどとも呼ばれていて、ヨーロッパからシベリアに広く分布しています。

日本には、明治時代の中期ごろから渡来したと言われていて、北海道・東北地方を中心に、九州地方まで植栽されています。日本では、マツ科トウヒ属の針葉樹は、30〜40m程の樹高になります。

まとめ

樹木の樹齢を調べた結果、数千年もの事例が沢山あって驚かされました。日本の屋久島にある縄文杉の樹齢の長さもすごいですが、本州の杉の木も同種だそうです。

屋久島の杉が、何故、長齢なのかは判りませんが、一部の説では、「多雨」・「少ない気温の変化」・「低栄養の土壌」などが影響していると言われています。

スウェーデンとノルウェーの国境付近の山で、見つかった世界一長樹齢のトウヒも、生育環境が大きく樹齢に影響したのでしょう。

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