ハシボソガラスとハシブトガラスのエサ探しの行動の違いを紹介しています。共に雑食性ですが、ハシボソガラスの方が、体が小さいので、良いエサ場をとられてしまいます。但し、ハシボソガラスは、色々工夫をしてエサを探すため、将来性はあるように見えます。
ハシボソガラスとハシブトガラスの棲み分け
日本にいる主なカラスは、ハシボソガラスとハシブトガラスです。
共に、雑食性で何でも食べますが、植物食を好むハシボソガラスと動物食を好むハシブトガラスという違いはあります。
ハシボソガラスは、田畑や河川、林などに棲んでいて、ハシブトガラスに比べると植物質の食性を好みます。このようにハシボソガラスは、工夫をしながらエサ探しをしています。
ハシブトガラスは、都会に棲んで生ごみなどを漁(あさ)ります。動物性の脂質を好んで食べる特徴があります。
次に両者のエサ探しの方法などの違いを紹介します。
ハシボソガラスとハシブトガラスのエサ探しの違い
ハシボソガラスは、郊外の広い地域に棲んでいて、地上に降りるとテクテク歩き回って、周り中を見回しながらエサを探します。
ハシボソガラスのエサ探し
ハシボソガラスは、じっくりと時間をかけて歩き回りながら次のようなエサを探します。
- セミ
歩き回りながら木にとまっているセミを見つけると、とびついて食べます。セミの死骸は、足で踏んでクチバシでつついてばらばらにして食べます。 - 河川敷の虫
河川敷では、クチバシを上手く使って石をひっくり返して水生昆虫(カゲロウやトビゲラなど)の幼虫や、小魚などを捕まえます。 - 草地の昆虫
草むらに首を突っ込んで中を探し回ります。潜んでいる虫をみつけると、クチバシで捕まえて飲み込みます。 - 落葉の裏側
森では、落葉をクチバシで裏返して、ドングリやミミズを見つけて食べます。
このように、ハシボソガラスは、注意深く歩き回って、潜んでいるエサを積極的に探します。
また、殻が硬いクルミを見つけた時には、高所から舗装道路に落下させて割ることや、車にひかせて殻を割るなどの工夫もします。
ハシブトガラスのエサ探し
ハシブトガラスは、ハシボソガラスのように地上に降りて、歩き回ってエサを探すことはしません。
- 電柱の上などから地上のエサを探して、エサをくわえて上に戻ってから食べます。
ハシブトガラスは、森に棲んでいて高木などから地上の獲物を探していたと考えられます。動物の死骸や食べ残しなどを漁っていたため、生ごみが豊富にある都会に棲みついたのでしょう。
そんな習性のハシブトガラスは、歩き回ってエサを探すことはしません。電柱などの高所からエサを探して、捕獲すると直ぐ高所に戻ります。
鳥類学者がとったデータでは、ハシブトガラスが地上に滞在する時間は、ハシボソガラスの半分程度だったそうです。
まとめ
ハシボソガラスとハシブトガラスは、共に雑食性です。少しだけ、食性の好みは違いますが、ハシボソガラスは、体の大きなハシブトガラスに、良いエサ場をとられてしまうのでしょう。
そのため、ハシボソガラスは、エサ探しにさまざまな工夫をするようになったと考えられます。
但し、さまざまな工夫をしながら生活をしているハシボソガラスの方が、ハシブトガラスよりも将来性があるかもしれません。