スズメの減少理由から感じた多様性のこと

スズメの写真 スズメ
スズメの写真

日本では、スズメを身近な鳥と感じていて、親しみ深い昔話の主役などに登場しました。最近は、スズメを見なくなりました。周りを見回しても、チュン、チュンと飛び跳ねながら、仲間と遊ぶスズメはいません。記事では、スズメが減った理由をまとめています。

何故スズメは人の近くで生活するの?

日本のスズメは、森や林の奥深くにはいません。昔から、スズメは人々の生活圏で生きてきました。それは、スズメを襲うヘビやイタチ、猛禽類のような天敵が人を恐れて、人の近くには寄って来ないことを利用しているからです。

日本のスズメと人との関係

かつてのスズメは、田んぼで農家のイネの種子を食べるため、案山子(かかし)などで追い払われていました。ただし、繁殖期になると、スズメは、害虫を食べてくれます。農家の人も半分目をつぶるような関係で、スズメと適度な距離感を保っていたようです。

例えば、家の軒先などにスズメが巣を作っても、子スズメの巣立ち待ってから巣を廃棄するなどの配慮がありました。

日本のスズメが減ってしまった理由

日本のスズメが減ってしまったのは、次に紹介するように、人間の生活様式が大幅に変わってしまったためではないでしょうか。

人の生活様式の変化とスズメの生活環境の悪化

日本では、開発が進んで田畑が減ってしまいました。そうすると、雛のエサになる虫も減少し、それに加えて、農業機械の導入が進みました。農業機械の導入がされると、地面にこぼれる穀類は少なくなってしまいます。このようなことから、スズメの食料事情は急速に悪化してしまいます。

また、開発の進行に合わせて、プレハブ住宅化が進みました。プレハブ住宅は、全く隙間のない規格住宅です。規格住宅が増えると、住宅は、密閉性が高いものに改良されてしまいます。つまり、スズメが巣を作るスペースがなくなります。

スズメにとっては、深刻な食料不足と、棲み家の減少の2つの要因が重なったのです。これが、スズメの生息環境の悪化を引き起こした要因でしょう。

そのため、従来のスズメの雛の数は(3羽〜5羽)だったのに対して、都市部のスズメの雛の数は(1羽〜2羽)と少なくなってしまいました。

まとめ

スズメは、人が住まなくなった空き家には入り込みません。その理由は、人がいないと外敵も棲みこんでしまう可能性があるからです。

人間の生活に依存してしまったスズメという野鳥は、日本人の人口減少が進む中で、ますます減ることが予測されます。

日本人にとっては、古くから最も身近にいる鳥の代表であるスズメが見られなくなってしまう可能性もあります。

スズメの数の減少理由を考えたことで、生物が長く生存するには、多様化という特性が必要だということを改めて感じてしまいました。日本のスズメは、愛くるしくて、誰からも好かれていましたが、人の生活に依存し過ぎてしまったのかもしれません。

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