女王アリが、たった一匹から始める巣の作り方

女王アリ アリ
女王アリ

女王アリは、身の回りの世話を全て働きアリにやらせて、ちょっとずるいと思っていましたが、たった1匹で巣作りをはじめてから、大きなコロニーに成長させる大切な仕事を担っていました。女王アリは決して、特権階級ではないことが分かるでしょう。

女王アリがはじめる巣作り

アリは、社会性昆虫の代表のような生き物です。そして、通常のアリが集団を最初に作るのは、たった1匹の女王アリです。

女王アリがどのようにしてコロニーを作っているのかを、一般的なアリで紹介します。

女王アリの最初の一歩

この時点では、まだ女王アリ候補でしかありません。ここでは、1匹の女王アリとして記載します。

女王アリの最初の一歩は、新たな家族を作るために、育った巣から飛び立つ結婚飛行です。

女王アリは、同時期に同種アリの他コロニーから飛び立ったオスアリと空中で交尾します。

この時、交尾で獲得した精子は、女王アリの特別な臓器で保存されて、産卵する時に卵の受精に使われます。(20年分もの精子を確保保存すると言われています)

結婚飛行を終えて地上に降りた女王アリは、いらなくなった4枚の翅を切り落として巣穴を作ります。この時、オスアリは、既に死んでいます。

女王アリが1匹でやること

女王アリは、たった1匹で巣穴を掘って、そこに、最初の10個〜20個程の卵を産みます。女王アリは、巣穴の中で、産んだ卵に雑菌が付かないように、卵をなめて清潔に保ちます。

2週間ほど経つと卵からは、幼虫が孵化(ふか)します。幼虫には手も足もないため、女王アリが1匹で育てます。

幼虫のエサは、女王アリが体内に蓄えておいた栄養を吐き戻したものです。女王アリが、口移しで幼虫に与えます。

女王アリからエサをもらって成長した幼虫は、やがて口から糸をはいて繭(まゆ)を作ります。その中で蛹(さなぎ)の期間を経て、成虫になった働きアリがでてきます。

卵を産んでから、最初の働きアリが羽化までの期間は、約1.5ヶ月です。この間は、女王アリが、1匹だけで、何も食べずに子育てをします。

以上が、新たな巣(コロニー)を作る時の女王アリがする仕事です。

やがて、最初に産まれた働きアリは、女王アリの身の回りの世話だけでなく、生まれた卵や幼虫の育児などをするようになります。

まとめ

巣作りは、1匹の女王アリが巣穴を掘る所から始めて、最初の働きアリが羽化するまでの全ての作業をすることでした。

この期間は、女王アリは何も食べることも出来ませんが、栄養を幼虫に与えて世話をしています。

最初に生まれたアリが育つと、女王アリは、まるで子づくりマシーンのように産卵に専念します。

女王アリは、働きアリが生まれると、徐々に産卵数を増やします。

女王アリは子孫を産むだけではなくて、コロニー全体のバランス設計もしているのでしょう。

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