この記事では、ナガミヒナゲシと呼ばれる癒しの花を紹介しています。私が現役時代(会社員時代)は、通勤道路脇に無造作に咲いている、ナガミヒナゲシの花を見て、心が癒されました。ナガミヒナゲシは特別綺麗な花ではなく、しかも雑草として扱われています。
ナガミヒナゲシとは
ナガミヒナゲシは、春の4月・5月ごろに花を次々に咲かせてくれます。
地中海沿岸が原産で繁殖力が強く、雑草化しやすいようです。そのためか、通勤道沿いや、家のブロック沿いなどに、にょきにょきと生えていて、落ち込んだ気持ちを明るくしてくれました。
ナガミヒナゲシはケシの仲間です。
尚、ナガミヒナゲシは、他のヒナゲシと同様にアヘンの原料になるアルカロイドは含まれていないため、特別な規制はありません。
このナガミヒナゲシは、生育環境の栄養状態で大きさを変えて育ちます(15㎝~60㎝)。
通常の植物は、繁殖に影響する花の大きさは変えませんが、ナガミヒナゲシは栄養状態に応じた大きさに咲きます。
根と葉から植物の生育を妨げる物質(アレロパシー)が生み出されているため、近くに別の花を植えると影響するかもしれません。しかし、それなら、雑草対策に役立つかもしれませんね。
ナガミヒナゲシの繁殖力
ナガミヒナゲシは、秋の草刈り前後に芽生えてきて、冬を越した春になって一気に成長して花を咲かせます。
花は、くすんだように見えるオレンジ色です。取ってしまおうと思う人は少ないでしょう。そして、初夏の草刈りの時期になると種を実らせて、さっさと枯れてしまいます。
又、実の構造も優れています。長い茎の先に咲いた花が散ると、ぷっくりと膨らんだ細長い実がつきます。実の上部には展望台の窓のように並んだ開口部があって、風で茎が揺れると、小粒のタネ(0.6mm)を振りまきます。
繁殖力が強い理由は、次の2点でしょう。
- 根と葉から他の植物の生育を妨げる物質を出すこと。
- 1つのさやに1,600粒もの多くのタネを持っていること。
ナガミヒナゲシは脅威を及ぼす植物なの?
Webでは、有害な植物のため、駆除すべきだということが書かれていました。
しかし、冷静になって考えて下さい。
春になると、道端のあちこちに綺麗な花を咲かせて楽しませてくれます。
また、周辺の植物の生育を妨げる物質が含まれているからと言って、本当に周りの植物を駆逐しているのでしょうか?
私は、春から初夏ごろにかけて、殺風景のコンクリートの隙間から芽をだして、健気に咲くナガミヒナゲシの花から癒されています。
まとめ
ナガミヒナゲシの繁殖力の強さは良く知っています。以前、会社の帰り道にあったナガミヒナゲシのタネと自宅の庭にまきました。それ以来、毎年、きれいな花を咲かせてくれています。
ナガミヒナゲシは、庭の駐車スペースにあるコンクリートの隙間に溜まった土からも、芽をだして花を咲かせてくれます。そこでは、小さく伸びた茎から小さな花が咲きます。(栄養が少ないのだと思います)
ナガミヒナゲシのそんな仕草(養分に応じてサイズを変える)を観察するだけでも愛おしくなってしまいます。