サイチョウは、ブッポウソウ目サイチョウ科に分類される鳥です。見た目も少し変わっていて、下向きに曲がった大きなくちばしと、頭部には、サイの角のような角質でできた突起があります。この記事では、サイチョウの変わった生態を紹介しています。
サイチョウとはどんな鳥なの?
サイチョウの名前は、サイの角のようなものを持っていることに由来しています。オスの全長は110-160㎝と大きく、メスはそれよりも少し小柄です。羽毛は全体的に黒く、腹部と腿は白色です。
このサイチョウは樹上で生活するため、地上にはほとんど降りません。
独特な姿をしていて有名な鳥ですが、鳴き声はラッパのような声です。飛ぶ時の羽音もゴワッ、ゴワッと大きな音をたてます。
サイチョウは、変鳥ぶりを強調したような鳥です。
サイチョウの奇妙な巣作りと子育て
サイチョウは、巨木の洞(ほら)の中に卵を産んで、105日間もの長期に渡ってヒナを育てます。
洞とは、巨大な樹に空いた穴のことです。
洞の入口は、大きく開いていて親鳥のメスが中に入れます。親鳥のメスが中に入ると、オスは、外から泥団子で、開口部を塞いで、狭めます。最終的には、くちばしがとおるぐらいの小さな穴になります。
このようにしてほぼ密室状態になった巣の中で、メスは卵をふ化させてヒナを育てます。メスの食べ物は、オスによって運ばれる木の実です。
オスはメスに、24,000個もの木の実を運びます。メスは、小さな穴からくちばしを出してオスが運んでくる木の実を受け取ります。
ヒナが飛び立つ、1週間くらい前になると、メスは泥で作った入口を壊して外にでますが、中にいるヒナは、入口の穴を再び小さく補修します。
その後は、ヒナが飛び立つまで夫婦でエサをヒナに運びます。
サイチョウの子育て中の洞の中
メス親とヒナは、洞の中に閉じこもって子育てをするので、ヒナが巣立った後の洞の中は、さぞかし汚いだろうと想像されます。
ところが、洞の中は、ゴミどころか匂いすらありません。
何故、子育てした巣穴が清潔なの?
子育てした巣穴が清潔な環境を維持する理由はあります。それは、巣の中に腐敗したものや糞を好んで食べるスカベンジャーと呼ばれる昆虫がいるからです。
アフリカのサイチョウの巣の例では、400個体以上のスカベンジャーと呼ばれる、掃除屋の昆虫がすんでいたそうです。
まとめ
サイチョウは、ブッポウソウ目サイチョウ科に分類される鳥です。サイチョウには、大きなくちばしと、頭部には、サイの角のような突起があるからです。
また、ラッパのような声で鳴きます。そして飛ぶ時にはゴワッ、ゴワッと大きな羽音をたてます。
サイチョウは、目立ちたがり屋のように見えますが、普通は樹上生活で、地上にはいません。
子育ても変わっていて、巨木の洞(ほら)の中に卵を産んで、入口を狭めた状態で、長期間、ヒナを育てます。当然、オス親との共同作業がないと生活できません。
オス親は、メス親と協力して子育てをします。オス親は、メス親と子供の分のエサを採取して、24,000個もの木の実を巣穴に運ぶと言われています。