アリの巣で生活する好犠牲昆虫のメリットとアリをだます手口

ウソか真実か アリ
ウソか真実か

これは、好犠牲(こうぎせい)昆虫と呼ばれる、変わった生き物のお話です。好犠牲昆虫は、アリをだましてアリの巣の中で生活しています。他の昆虫にとって、アリは危険な昆虫です。記事では、好犠牲昆虫が、アリの巣に入り込む方法等について紹介しています。

アリの巣の中で暮らす好犠牲昆虫とは?

集団でコロニーを作って社会生活をする雑食性のアリは、他の昆虫にとっては恐ろしい生き物です。ところが、アリの近くを選んで暮らす昆虫もいます。

このようにアリの社会と何らかの関係を持つ昆虫を、好蟻性(こうぎせい)昆虫と呼びます。

好蟻性(こうぎせい)昆虫は、全世界で、多くの種がいると言われていますが、実態はあまり分かっていません。

好蟻性昆虫にとっても、集団で攻撃をするアリは、猛獣のような存在です。
そんなアリの巣(コロニー)で同居するために、好蟻性昆虫は、どんな工夫をしているのでしょうか?

好蟻性昆虫がアリの巣を選んだ理由

好蟻性(こうぎせい)昆虫と、アリとの関係は様々です。関係性が緩いものからアリの社会にべったりしていないと、生きていけないものまでいます。

そんな好蟻性(こうぎせい)昆虫のアリとの関わりは、様々ですが、次のようなメリットが考えられています。

ともかく、小さな虫にとっては、アリは集団で生活している猛獣です。そのため、アリの巣の中にいれば他の虫は近寄れません(つまり安全です)。

また、アリの巣には、食料も豊富にあるため、そのおこぼれを食べることもできます。

また、じっとしているアリの幼虫を食べることもできます。

このように、どうにかしてアリの巣の中に紛れ込んでしまえば、安全な住まいと豊富な食糧を手にいれることができるのです。

これが、危険を冒してアリの巣の中での生活を選んだ好蟻性昆虫のメリットです。

アリのだまし方

好蟻性(こうぎせい)昆虫には、次のようなタイプのものがいて、アリの社会に溶け込んでいます。つまり、アリをだまして生活しています。

次に、好蟻性昆虫のだましの手口について紹介します。

化学隠蔽(いんぺい)

アリは、多くの仲間のアリと社会生活をするため、フェロモンを出して情報交換をしています。同じ、巣のアリであることの証明も体の匂い(体表炭化水素成分)の違いで行っています。

ある種の好蟻性昆虫は、この性質を利用してアリの巣内で暮らしています。この昆虫は、体表炭化水素成分をアリから部分的に奪い取って自分の体に付着させます。

この方法を、化学隠蔽(いんぺい)と呼びます。

化学擬態(ぎたい)

化学擬態(ぎたい)は、アリから出る匂い物質の体表炭化水素成分に似ている物質を自分で作りだすことで、アリをだましています。

まとめ

好蟻性昆虫が、危険なアリの巣内で生活するのは、安全な住まいと食糧を手にいれることができるからです。

但し、好蟻性昆虫のアリとの関係は、さまざまです。酷い例では、アリの女王になりすまして、身の回りの世話をさせるだけでなく、アリの幼虫を食べてしまうものまで存在します。

好犠牲昆虫は悪者に見えますが、アリをだます好犠牲昆虫も、一歩間違えれば、アリの餌になってしまいます。お互いに必死なのです。

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