鳥の多くは、ツガイで子育てをすることが多いのですが、生物界全体でみると、ツガイによる子育ては稀です。なぜ鳥類は、夫婦による子育てが多いのか、理由を分かりやすく紹介しています。自然界では自分が生き残るだけで精いっぱいなのでしょう。
鳥の子育て
鳥の子育てのイメージは、ツバメに代表されるように夫婦2羽のツガイです。
スズメやツル、ハクチョウ、フクロウなどの子育てをTVなどで見ても、ツガイで子育てをする光景は、微笑ましく感じられます。
ところが鳥を除いた、動物界全体では、夫婦がツガイで子育てするのは稀です。哺乳動物でさえも、犬の仲間やサルの仲間の一部に夫婦のツガイはありますが、全体では、数%程度でした。
ちなみに、鳥の仲間は全体の90%程が、子育て期間に夫婦のツガイで過ごします。
なぜ、鳥の子育ての多くは、ツガイなのでしょうか?
鳥が子育ての期間にツガイですごす理由
鳥が子育て時にツガイで過ごすのは、卵を産んで子育てをするからです。
変温動物の昆虫や、魚などの卵は、産んでしまえば自分たちの力でふ化して成長します。ところが、鳥は一定期間抱卵しないとふ化することもできません。生まれてきたヒナは、目もあいていないし、羽毛も生えていないため体温維持もできないからです。
メスだけの子育てではエサを探しにいくこともできなくなってしまいます。そのため、多くの鳥が、子育て期間にツガイで過ごすのでしょう。
それなら卵で産まなければ良いの?
と言われそうですが、鳥は、空を飛ぶために常に体重を軽量にしなければなりません。卵で産むことも鳥類には、必須の選択だったのです。
鳥の育児の分担
鳥類では、90%ものオスが、メスとともに育児の分担をしていますが、その役割は、鳥の種類によって大きく違っています。
巣作り、抱卵~ヒナへの餌やり(ツガイで実施)
ハト、サギ、キツツキ、カワセミ、サンコウチョウ等は、巣作り・抱卵、ヒナへの餌やりまでの作業をオスとメスで分担します。(もちろん、例外もいます)
巣作り~ヒナへの餌やり(オスは抱卵しない)
この形態の子育てでは、オスは抱卵をしませんが、一連の子育ては分担します。ハシボソガラス、ハシブトガラス等の仲間の鳥です。
これ以外にも、巣作りはしないけれども抱卵とヒナへのエサやりを分担するオス鳥や、ヒナへのエサやりだけに参加するオス鳥もいます。
ハクチョウには、ツガイで全てを行い、子供の教育まで夫婦で行う種類もいます。もちろん、ハクチョウも種類によって、方法は様々です。ハクチョウのオスには抱卵をしないものもいます。
このように鳥の種類によって、オスの子育ての役割は大きく違います。
まとめ
鳥の仲間は全体の90%程が、子育て期間にツガイで過ごしますが、鳥を除いた動物界全体では、ツガイで生活する生物は稀でした。哺乳動物でさえも、犬の仲間やサルの仲間の一部だけで、全体では、数%程度です。
多くの鳥がツガイで子育てする理由
変温動物の昆虫や、魚などの卵は、産んでしまえば自分たちの力でふ化して成長していきます。でも、鳥は一定期間抱卵しないとふ化することもできないからです。
生まれてきたヒナにはエサを与えなければなりません。そして、生まれたばかりのヒナは体温維持もできないため、メスの親鳥だけではエサを探しに行くこともできません。
以上が、多くの鳥が、子育て期間にツガイで過ごす理由です。