今年も、ニュース報道で、鳥インフルエンザが発生していることを知りました。ニワトリ等の家禽類を飼育している農家には大きな驚異でしょう。この記事では、鳥インフルエンザとはどんな病気なのか、感染ルートや防ぎ方などを、分かりやすく紹介しています。
鳥インフルエンザとは
人間のインフルエンザにはA型、B型、C型のタイプがあります。これに対して、鳥インフルエンザは、人のA型インフルエンザウィルスが鳥類に感染して発生したものと言われています。
鳥インフルエンザは、鳥類に感染して発症する感染症です。そして、人のインフルエンザウィルスとは別の感染症に位置付けられています。
高病原性とは何?
鳥インフルエンザのウィルスは、高病原性と呼ばれます。この高病原性とは、病原性の強さを表したもので、高病原性と、低病原性に分かれています。
飼育されているニワトリやアヒル等に感染すると、強い病原性の、高病原性を引き起こして死亡します。そのため、世界中の養鶏業にとって、鳥インフルエンザは大変な脅威です。
尚、野鳥は感染しても、ほとんど発病しませんが、日本では平成16年から断続的に鳥インフルエンザが発生しています。平成22-平成23年には15種で60羽の野鳥の感染が確認されています。
また、国内の希少野生鳥類(ナベヅル、クマタカ、オオタカ等)の感染も確認されて懸念は広がっています。
どのようなルートで養鶏場の鳥が感染するの?
感染経路は明確ではありませんが、渡り鳥がウィルスを運んできたと考えられています。鳥インフルエンザに感染した野鳥の排泄物が原因で、汚染したエサや水から養鶏場のニワトリなどに感染したと推定されてまいます。
鳥インフルエンザは人に感染するの?
現在、人への感染例が確認されている鳥インフルエンザウィルスの型は、数種です。それらは、H5N1亜型、H7N7亜型、H7N9亜型、H9N2亜型、H5N6型等です。
この記号による分類は、インフルエンザウィルスの構造で決まっています。
H5N1亜型は、リスクは低いですが、感染した鳥や、排泄物、死体、臓器などに接触した人には、感染する可能性があります。
幸いにして、人から人に感染した例は、今の所、発生していません。又、鶏肉やたまごを食べて感染したこともありません。
但し、H7N7亜型ウィルスは、人から人に感染しています。致死率は低いですが、感染者が死亡したこともあります。(2003年、オランダの養鶏場)
H7N9亜型では、2013年に中国で人に感染した事例があります。
鳥インフルエンザの鳥への感染
白鳥や、カモなどの水禽の腸管内で増殖して、鳥の間では、糞から感染すると言われています。但し、元々菌を持っている宿主の症状は出ないと言われています。(これも、不思議ですね。何時変異するか不明の為、宿主でも症状がでるようになるかもしれませんが…。)
人への感染を防ぐには?
鳥インフルエンザは加熱すると感染性はなくなると言われています。そのため、鶏肉やたまごは加熱調理することで感染を防げます。
まとめ
水鳥などが保有する弱毒ウィルスが、飼育されているニワトリなどへ感染することは、繰り返されてきました。
弱毒ウィルスでも、繰り返し感染すると、強い毒性に変異(突然変異)することが確認されています。
このような突然変異による感染は、今後、人から人に爆発的に感染するウィルスの出現の可能性を示しています。