イチョウはなぜ黄葉するのでしょう

イチョウ 紅葉
イチョウ

秋が深まると、イチョウの葉っぱは鮮やかな黄色に変わります。人の目に見える色は、イチョウの葉っぱから反射した合成色が見えています。記事では、イチョウの葉っぱが何故、黄色く見えるのかを、プロセスの順に分かりやすく紹介します。

イチョウが黄葉する理由は?

秋になると、イチョウの葉っぱが黄葉する理由は、光合成の時に、使われない太陽光線の合成色が黄色く見えるためです。
次に、このプロセスを分かりやすく紹介します。

イチョウが黄葉するプロセス

秋になると、太陽光線は届きにくくなって、光合成の効率は低下します。そのためイチョウは、効率の悪くなった光合成を止めて、葉を落とす準備を始めます。

  1. イチョウの木は、葉っぱを落とす前に、葉に残っている栄養分を回収します。
  2. イチョウの葉の中には、光合成をして栄養分を作り出す葉緑体もあります。イチョウ葉の葉緑体は、黄色の色素(カロチノイド)と緑色の色素(クロロフィル)です。
  3. 黄色の色素(カロチノイド)は太陽光からエネルギーを吸収します。吸収したエネルギーは、緑色の色素のクロロフィルに運ばれます。
  4. 緑色の色素(クロロフィル)は、葉を落とす準備の過程で光合成をするため、分解して無くなります。そのため、黄色の色素は、葉っぱに残されます。
  5. 葉の中に残された黄色の色素(カロチノイド)は、太陽光線から青緑色と青色の光を吸収する働きをします。そしてイチョウの葉は、残りの太陽光線の赤色と赤味を帯びた緑色を反射します。これらの合成色が、人の目には黄色に見えるのです。

イチョウの葉は、以上のプロセスを経て、人の目に黄色に見えるようになります。

もっと分かりやすくするため、次にイチョウの葉が緑色に見える時の状態と比較して紹介しましょう。

イチョウの葉が緑色に見える時

黄葉していないイチョウの葉っぱの中には、カロチノイドとクロロフィルがあって、太陽光線で光合成をしています。光合成では、赤色・青緑色・青色の光を吸収するため、葉っぱは緑色の光を反射します。

この時、人の目に見えるイチョウの葉っぱの色は緑色です。

イチョウの葉が黄色に見える時

イチョウの葉が黄葉した時には、クロロフィルは分解して無くなるため、カロチノイドだけが残っています。カロチノイドは、青緑色と青色の光を吸収して、残りの赤色と赤味の緑色を反射します。
そのため、イチョウの葉は、赤色と赤味の緑色を合成した黄色に見えるようになります。

では、落葉樹はどのようにして、葉っぱを落とすのでしょう。

落葉樹が葉っぱを落とす仕組み

はっぱの付け根には、離層(りそう)という層があります。離層の中には細い管があって、樹木から葉っぱに水分を運び、葉っぱからは光合成で作られた糖を樹木に送り返しています。
光合成が盛んに行われる夏期には、大量の糖が作られています。ところが、秋になると離層は膨れて、そのなかの細い管はつぶれるため、水は止まってしまいます。そして、葉に水が供給されないため、葉は枯れて落ちてしまいます。

これが、落葉樹が葉っぱを落とす仕組みです。
太陽光線が弱くなってくると光合成の効率が悪くなるため、この仕組みが働きます。

まとめ

太陽の光が弱くなると、光合成に使うエネルギー効率が低くなります。やがて、光合成のシステムを維持できなくなります。そのため、イチョウの木は、不要になった葉っぱを落とすための準備をします。

イチョウの葉が黄色に見える理由は、光合成を止めた葉っぱから反射する太陽光線の合成色を見ているためです。

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