鳥類が卵で子どもを産まなければならない理由

野鳥の卵 白鳥
野鳥の卵

鳥類は、人のような家を持っていませんが、卵を産んで育てる時期には、家と同様な役割の巣を持ちます。記事では、鳥類が卵で子どもを産まなければならない理由や、巣に求めるものを、鳥の視点から検討しています。日常とは違うひと時が過ごせるでしょう。

鳥類には卵で産む理由があった

鳥は卵を巣の中に産みます。鳥の巣は、壊れやすい卵を安全に温めるのに無くてはならない必要な場所です。また、卵から出て来た雛(ひな)を守ってくれる大切な場所です。
鳥は、空を飛ぶために、少しでも体重を軽くする必要があります。そのため、子どもが出来ても、親鳥のお腹の中で長い間育てるわけにはいきません。

鳥類が卵という形で子どもを産む理由は、出来るだけ早い段階で、体の外に産んで、体を軽くするためです。

子孫を卵で産むことで、鳥類が抱えているさまざまな懸案を解決できるためでしょう。

鳥類の巣に求められるもの

鳥類には人のように安全で快適で休息できる家はありませんが、卵を産んで育てる時期に必要な巣には、家と同様な役割があります。

卵を産む巣の形や場所は、鳥の種類によって違います。次のような、2つの大切な役目があります。保温器として卵をふ化する役目と、雛をすこやかに成長させるための安全で衛生的なベッドの役目です。

鳥類は、外敵から雛を守るために、穴の中や地面の上、崖(がけ)等の高所、木の上など、さまざまな場所に巣を作ります。

遠方から渡りをする大きなハクチョウも例外ではありません。

ハクチョウが卵を産むのは、日本から遠く離れた寒いツンドラ地域です。そして、巣は外敵に襲われにくいように水辺や水辺に近い地上にあります。巣の素材は、くちばしでくわえて運びます。そして、巣をつくる場所に放り投げるようにして積み上げます。
次に、オオハクチョウ、コブハクチョウ、コクチョウ、コハクチョウの巣と卵の特徴を紹介します。巣の特徴は、ハクチョウの種類によって、少しずつ違います。

オオハクチョウ

  • 1回の繁殖で産む卵の数:4〜5個
  • 卵の大きさ:110×70mm程度
  • 卵の特徴:長卵形で、少し黄ばんだ色に薄茶の小斑があって、表面はざらざらしている。。
  • 巣:湖の岸辺、中州、あるいは水辺付近の小高い場所に水草等を山のように集めて、直径1m以上で、高さ50㎝程の巣を作ります。雌が抱卵します。

コブハクチョウ

  • 1回の繁殖で産む卵の数:4〜7個
  • 卵の大きさ:115×75mm程度
  • 卵の特徴:長卵形で、青灰色をしています。斑点はありません。
  • 巣:川や湖に近い陸地に草の茎や木の枝等を積み上げて皿状の形をした巣を作ります。抱卵は雌ですが、子育ては雌雄で行います。

コクチョウ

  • 1回の繁殖で産む卵の数:6個程
  • 卵の大きさ:105×65mm程度
  • 卵の特徴:長卵形で、青白色。斑点はありません。
  • 巣:集団で営巣。浅い湿地の水中に小枝や葦(あし)などを積み上げて直径1m程の巣を作ります。雌雄で抱卵。

コハクチョウ

  • 1回の繁殖で産む卵の数:3〜5個
  • 卵の大きさ:90×60mm程度
  • 卵の特徴:長卵形の白色で斑点はありません。
  • 巣:湖の浅瀬や水辺の地面に、イネ科の植物やコケ等を山のように積み上げて作ります。大きさは直径1m、高さ60㎝ほどもあります。巣作りは雌雄で行いますが、抱卵は雌です。

まとめ

鳥は、空を飛ぶために、常に体を軽く保たなければなりません。そのため鳥類は、お腹の中に子どもができると出来るだけ早く、卵の形で子どもを産むのです。

卵は、硬い殻で覆われていますが、常に天敵から狙われています。安全に雛をふ化させて、成長させるには、天敵から守れる巣が必要です。

鳥類が巣を作るのは、天敵に見つからない場所や近寄りにくい所です。巣作りの場所は、鳥の種類によって、穴の中や地面の上、崖(がけ)等の高所、木の上など、さまざまな場所になります。

寒い地域で卵を産んで子育てをする大きな鳥のハクチョウの巣も、安全で快適な場所を選んでいることが判ります。

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