昆虫好きなら、だれでも興味を持ってしまうダンゴムシとはどんな虫なのでしょうか? ダンゴムシの生態のことや変わった特徴などを紹介します。
ダンゴムシとは何者なの?
ダンゴムシは、世界中の温暖な地域にいて、学問的には、等脚目(とうきゃくもく)に分類されます。等脚目は、エビ、カニなどの甲殻類(こうかくるい)の動物群に含まれています。ダンゴムシの仲間には、浜辺にいるワラジムシや、水深数100メートルの海底にすんでいるオオグソクムシなどもいます。
森や山などには、日本の在来種と言われる小型のコシビロダンゴムシもいますが、人の生活する場所で見かける普通のダンゴムシは、古い書物などに記載されていないために帰化動物と考えられています。
ダンゴムシの体と生活には、子供だけでなく大人も興味を惹かれます。次に、彼らの風変わりな生態を紹介します。
ダンゴムシの特別な体と特徴
ダンゴムシには、ちょっと変わった体や特徴があります。
ダンゴムシが丸くなる仕組み
ダンゴムシの最大の特徴は、何かあると直ぐに体を丸くすることです。
ダンゴムシの体の表面はキチン質という鎧(よろい)のように硬い表皮で覆われています。丸くなると大切な頭や腹部を敵の攻撃から守れるからです。
硬い鎧で覆われているのに丸くなれる理由は、鎧は、多数の節で分かれていて、節と節の間は薄い皮でつながっているからです。
何かの刺激でダンゴムシが体を内側に縮めると、つなぎ目の皮も内側に引っぱられるため自然に体は丸くなります。
ダンゴムシの脚
ダンゴムシの胸にある7つの節には、それぞれ一対の脚が付いていて、合計14本の脚があります。
歩く速さは、秒速で7mmぐらいですが、脚には細かい毛があって壁などの垂直歩行もできるようになっています。
ダンゴムシの視覚
ダンゴムシには、複眼がありますが、明暗を感じられる程度の視力と考えられています。その理由は、複眼を構成する個眼を20個ほどしか持っていないためです。
視力の弱いダンゴムシですが、頭部には長さの違う2つの触覚があります。長い触覚は物に触れて移動の時に使い、短い触覚で匂いを嗅ぎとることができます。
ダンゴムシの食べ物と糞
ダンゴムシは、落葉や虫の死骸などを食べる分解者と言われていますが、ニンジンや白菜などの野菜も好んでたべるため、害虫にも分類されています。
ダンゴムシの糞は、普通は長方形の黒色で臭いもしませんが、ニンジンを与えるとオレンジ色の糞をするそうです。
尚、以前の記事ではコンクリートに含まれているカルシウムを食べることも紹介しています。
ダンゴムシの脱皮
脱皮をすると、硬い鎧になるまで数日かかってしまいます。脱皮の期間は無防備になるため、体の後部側から脱皮して逃げる時の脚を固め、次に前側を脱皮します。
脱皮した殻は貴重な栄養源として食べてしまいます。
ダンゴムシは、脱皮を繰り返して数年間生きることができます。
ダンゴムシは泳げるの?
ダンゴムシが泳いでいる姿は見たことがありませんが、研究者が実施した実験では、21匹中の3匹が自発的に水面を泳いだそうです。
ダンゴムシの呼吸器官は、腹部の後方付近に一対の擬気管があるため、長時間浸水すると呼吸できなくなります。そのため、息が続く時間だけ泳いだのでしょう。
まとめ
ダンゴムシは、陸上から海底まで生息している等脚目(とうきゃくもく)の仲間の中で、陸上生活に適するように進化した種でした。
ダンゴムシは体を守るため、何かの危険に遭遇すると直ぐに丸くなります。とてもユーモラスな習性で子供達だけでなく、虫好きの大人にとっても興味はつきません。