カルガモの引っ越しは、毎年の恒例行事のようにニュースで報道されます。何故、カルガモは、ヒナを連れて交通量の激しい道路の横断までして、引っ越しをするのでしょう。この記事では、この不思議な引っ越しの理由を分かりやすく紹介しています。
カルガモの親子が引っ越しをする理由
カルガモは、天敵に見つからないような場所を選んで、巣づくりをした後で、卵を産んで抱卵します。
そのため、カルガモの巣は天敵に見付かりにくい草むらや竹藪の中です。しかも、ヒナがふ化して卵から出てきても、カルガモの親鳥は、ヒナにエサを与えません。
カルガモの母親は、エサが十分にある安全な場所にヒナを連れて行くために引っ越しをしていたのです。
カルガモの母親がヒナにエサを与えない理由
カルガモの母親は、次のような理由で、産まれて来たヒナに、エサを与える余裕などないのでしょう。
- カルガモのオス親は、オスの集団で行動していて、抱卵からの子育ては、全てメス親だけで行っている。
- カルガモは、一度に10ヶ程の卵を産みます。
抱卵は母鳥だけです。恐らく、母鳥は空腹をこらえて抱卵しているのでしょう。しかも、10匹もヒナがいては、母鳥だけで、エサやり等できないでしょう。これが、カルガモの母鳥がヒナにエサを与えない理由です。
カルガモのヒナの行動
カルガモのヒナは、巣立つまで、2ヶ月ほどかかります。その間、ヒナは、母鳥の行動を見て、生きていく方法を身につけます。
ヒナは成鳥になって巣立つまでは、常に親の近くにいて生きるための術を学習しています。
引っ越しの時には、母鳥を先頭にして一列で歩きます。理由は、生まれると直ぐに自分のことは自分でしなければ生きていけない環境が、そうさせるのでしょう。
ヒナは、母鳥からの指導を、一瞬でも見逃さないようにしているのでしょう。
カルガモとはどんなカモなのだろう
カルガモは、カモ科・マガモ属に分類される水鳥です。
主な生息域は、中国、日本、朝鮮半島、ロシア東部などで、日本には各地域に留鳥として一年中暮らしています。北海道などの寒冷地に棲む個体は、冬季になると南下しますが、渡りはしません。
体長は50㎝〜65㎝で、オスの方がメスよりも大きい。河川や湖、沼などの湿地を生活圏にしています。
《食べ物》
水草の葉や、茎・種子などが主食で、小魚やタニシなどの水生昆虫も捕食する雑食性です。稲穂を食べることもあります。
《繁殖》
水辺付近の草むらなどの乾いた場所に、枯草や枯れ葉を集めて皿状の巣を作って、10個ほどの卵を産みます。およそ26日間の抱卵は、メスが行っています。
一度に10ヶ程の卵が産まれますが、カラスなどの天敵に襲われるため、成鳥になれるのはせいぜい2〜3羽です。
メスが子育てをしている間は、オスはオス同士の集団を作って生活しています。子育てには参加しません。
《ヒナの生育》
ふ化したヒナは直ぐに歩きだすことが出来ます。ヒナは、親鳥が食べる様子や身の守り方などを学習しながら成長していきます。
《寿命》
野生環境では、5年~10年程度と言われていますが、正確なデータはありません。
まとめ
カルガモは生まれると直ぐに歩くことができます。親鳥からは、エサを与えてもらえないからです。
カルガモが母鳥を先頭にして一列で歩くのは、そのような厳しい生育環境のため必死に学ぶためでしょう。
カルガモの親子の行列が行われる理由
ヒナが産まれるカルガモの巣は、水場から少し離れた藪の中などにあります。
これは、天敵などに襲われないようにするためです。母鳥は、ヒナにエサを与えられないため、直ぐにヒナが自分でエサをとれる安全な場所に連れて行かなければなりません。
毎年行われている恒例のカルガモの親子の行列は、このような理由で行われていました。