線路上に石を置く事件発生でJR東日本は緊迫しました。1996年の出来事ですが、原因は食べ物を貯食するカラスでした。同じ習性は、カラス科や、ゴジュウカラ科、キツツキ科等にもあります。優れた記憶力があるのでしょう。記事では、内容を紹介します。
カラスの置き石で鉄道会社は大混乱
1996年には、JR東日本を混乱させた、線路上に石を置く事件が頻発しました。線路上に置かれた石は、大きな事故を招く要因になる危険な因子です。
JR東日本は本気になって犯人捜しをして究明しましたが、犯人はハシボソガラスでした。
カラスが置き石をした理由
ハシボソガラスは、余分な食べ物を貯蔵する習性があります。ハシボソガラスは、食べ物を貯食するために枕木(まくらぎ)の下を選んだようです。
但し、食べ物を隠しても、後で戻った時に目印がないと困ります。
ハシボソガラスが線路上に置いた石の目的は、次のようなものだと推測されています。
《線路上に置かれた石の目的》
- 目印
ハシボソガラスは、貯蔵した食糧をどこに置いたのかを知るための目印にした。 - スペースの確保
ハシボソガラスは、枕木の下に食糧を置くためのスペースを作るために、余分な石を取り除いた。そして、余分な石を線路上に置いた。
もちろん、これらは人間が考えた推測ですが、頭の良いカラスなら、やりそうです。
カラスの貯食方法
ハシボソガラスは、余分な食べ物を貯蔵して、後で食べにくる知恵がありますが、それだけではなくて、貯蔵した食べ物の傷みやすさも理解した上で行動しています。
食べ物ごとの消費期限をおぼえていて、傷みやすいものを先に取り出して食べるそうです。
人間は冷蔵庫という素晴らしい装置を作りましたが、冷蔵庫の中で食材を腐らせてしまうことは珍しくありません。
ハシボソガラスの記憶力のすごさには敬服しますが、カケスの仲間は、さらに優れた行動をしていました。
カケスの記憶力
野山に棲んでいるカケスは雪に覆われた冬山で生活しなければなりません。冬山では、食料は無くなるため、秋の間に、冬に備えて食料のドングリを集めます。
カケスが集めたドングリは、最大4,000ヶ所の場所に貯蔵します。しかも、正確に場所を記憶していると言われています。
カケスは、雪景色になっても、大きな樹木や石の位置を目印にして、貯蔵した場所を憶えているそうです。
でも、たまには忘れることも有るため、タネが芽を出すのでしょう。
貯食習性を持っている鳥
貯食習性を持つ鳥類は、カラス、ホシガラス、カケスのカラス科の鳥や、ゴジュウカラ科やシジュウカラ科、キツツキ科の鳥です。
まとめ
線路上の置き石犯を本気で探させた、ハシボソガラスは、当時のJR東日本を困らせました。カラスには、屋根の隙間やパイプの穴、落葉の下などに食べ物を隠す習性があります。
カラスは仲間に見つからないように、隠した食べ物の上に枯れ葉を載せるなどのカモフラージュ行動もします。
もしも、仲間のカラスに目撃された時には、あとから隠し直します。
これらの行動は、優れた記憶力があるためですが、余分な食べ物を貯蔵するという行為は、将来への備えです。
特に冬場をのり超えるための貯食行動は、優れた記憶力と共に、将来を考えた計画的な戦略を持っているからでしょう。