野に咲く美しさと強さを秘めた独特なアザミの魅力

アザミ 花・野草
アザミ

アザミの葉っぱには強力なトゲがあります。草食動物に食べられないようにするためですが、トゲに触れると嫌な痛みに襲われます。この記事では、アザミの名前の由来や、チョウに花粉を運んでもらうための工夫等、アザミが持つ独特な魅力を紹介しています。

アザミの強力なトゲがもたらすもの

アザミはとても美しい花ですが、葉っぱには強力なトゲがあります。このトゲは草食動物から食べられないようにするためのものです。

アザミの葉っぱのトゲは、とても強力で、役立ちます。

トゲのおかげで、牧場の馬や牛もアザミの葉を食べるのを避けるほどです。

アザミを国花にしたスコットランド

スコットランドでは、アザミを国花にしています。

「その昔、スコットランドがノルウェーの大軍に侵攻された時のことです。

夜襲を掛けようとしたノルウェー軍の兵隊が、アザミを踏んで悲鳴を上げたことから形勢は逆転しました。

アザミのトゲのおかげでスコットランドは大勝したのです。」

この事件をきっかけにしてノルウェー軍の侵攻はなくなりました。そして、アザミは国を救った花として讃えられ、スコットランドの紋章や国花になったと言われています。

アザミの名前の由来も、葉のトゲに由来しています。

アザミの名前の由来

アザミの名は「興ざめする」という意味を持つ「あざむ」から変化したものです。

アザミの花が美しいので思わず触れようとすると葉のトゲの痛さに驚かされます。

アザミという語源は、「あざむかれた」→「あざむ」→「アザミ」になったようです。

アザミは美味しい山菜

アザミが食べられるとは知りませんでした。アザミの若芽は、天ぷらや胡麻和えとして、アザミの根はキンピラや漬物として美味しい食材です。

ノハラアザミ、タカアザミ、トネアザミ等のノアザミは、春に花を咲かせます。来春が楽しみです。

アザミが蝶に花粉を運んでもらう工夫

優雅にはばたくチョウは、花粉を運ぶのが当然だと思っていました。ところが、多くの花はチョウに花粉を運ばせることができないそうです。

チョウに花粉を運ばせることができない理由

チョウの足や蜜を吸う口が長いため、多くの花は、チョウの体に花粉を付けられません。そのため、多くの植物は、チョウに花粉を運ばせることができないのです。

そこで、アザミは、チョウに花粉が付着するように工夫をしていました。

《アザミの工夫》
アザミの花は、小さな筒状の花を集めて作られています。そのため、筒状の花からオシベや、メシベを針のように突き出させることができます。

アザミは、筒状の花にすることで、花粉がチョウの体に触れやすくしていました。

尚、アザミの花にそっと触れると、刺激を受けたオシベの先から花粉が出てくる様子を観察することもできます。

まとめ

アザミの種類は、世界で300種程ですが、日本には100種もあります。

草取りの時などに、軍手を通してチクッと刺すような嫌な痛さがすると、思わず手を引っ込めます。それは、大抵アザミです。

そんなアザミのトゲは、もちろん嫌いですが、アザミの花は魅力的です。

アザミは、どこにでもある花です。アザミには、嫌なトゲがあるので、詳しい人は少ないでしょう。

但し、アザミの花は、美しいというだけではなく、特別な工夫もしている自立した強い植物でした。

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