早春の妖精と言われるセツブンソウの魅力

可憐なセツブンソウ (1) 花・野草
可憐なセツブンソウ (1)

セツブンソウは、寒い時期に可憐な花を咲かせます。妖精のようだと表現されます。この記事では、セツブンソウの概要や魅力を紹介しています。今は閉塞感を感じる世界ですが、早春の妖精と言われるセツブンソウに触れると、違う世界に連れて行ってもらえます。

セツブンソウの魅力

セツブンソウは、枯れた落ち葉や、巨石の隙間などから、肩を寄せ合うようにして咲く様子を観るだけで、心が惹かれます。

但し、個人的に、もっとも魅力を感じるものがあります。それは、葉っぱが変形したという、白い愕片(がくへん)です。しかも、真っ白ではありません。何となく、陰のあるような白色です。

この愕片(がくへん)には、和紙をしわくちゃにして伸ばしたような皺(しわ)があります。本当は、愕片(がくへん)なのに、私には花びらにしか見えないものです。

しかも、まだ肌寒い時期に、健気にひっそりと咲いているのを想像するだけで、心を持っていかれてしまいそうです。

セツブンソウの変異種

ごく稀に、白い愕片を10枚つけたものが出現します。これは、「キク咲き十弁種」と呼ばれていて、筆舌難い可愛らしさがあります。(本当は、まだ見たことがありません。)

セツブンソウとはどんな花なの?

セツブンソウは、2月から3月に小さくて可憐な白い花を咲かせます。

名前の由来は、早春に芽をだして、節分の時期に花を咲かせるからだと言われていますが、関東の山野では、3月頃に咲きます。

寒い時期に小さな背丈で健気に咲く花は、まさに妖精です。

しかも開花すると、あっという間に枯れてしまいます。また、来年まで待たなければならないと思うと、逢いたい気持ちは募ります。

また、開発による環境破壊だけでなく、愛好家による乱獲も多いのでしょう。そんなセツブンソウですから、今では、大幅に数を減らして、準絶滅危惧種に指定されています。

主な生息地

セツブンソウは、関東地方以西の石灰岩地域を好みます。広島県庄原市、埼玉県小鹿野町、栃木県星野の里などは有名です。

中でも小鹿野町では、まるで雪が積もったかのように咲く光景が見られるそうです。

セツブンソウの特徴

セツブンソウの白い花びらに見えるものは、実は、葉っぱが変形した愕片(がくへん)です。本当の花は、5枚の愕片の中央部にある黄色い雄蕊(おしべ)のように見えるものです。

本当の花は、先端部が2つに分かれた黄色い蜜線です。中央にある紫色の雄蕊(おしべ)を囲んでいます。

セツブンソウの生態や概要

花が散った後は、葉が茂り、晩春には茎葉も枯れて、地下にある球根(径1.5㎝で先端のとがった球根)の状態で眠りにつきます。そして、秋になると地下で芽を出し始めます。

生息環境・・・落葉広葉樹の林床、岩の合間など

花期・・・2〜3月(多年生)

背丈・・・5〜15㎝

花サイズ(愕片)・・・直径2センチ

学名・・・Shibateranthis pinnatifida

分類・・・被子植物門、キンポウゲ(目・科)、セツブンソウ(属・種)

原産地・・・日本

セツブンソウの花言葉

セツブンソウが地上に出てきて花を咲かせ、葉を茂らせるのは、3ヶ月程の短い期間です。花言葉にある「人間嫌い」はそのことを端的に表現しています。

もちろん、セツブンソウの花言葉は、「人間嫌い」だけでなく、「気品・ほほえみ・光輝」などの花や姿を表したものもあります。

まとめ

セツブンソウは、早春の寒い時期に妖精のように開花する花ですが、自然環境では、大幅に数を減らして、準絶滅危惧種に指定されています。

セツブンソウの魅力は書ききれませんが、どんな花なのかは分って頂けたでしょう。

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