昆虫が成長する度に変身する理由とは?

アゲハ蝶 昆虫・虫
アゲハ蝶

昆虫は成長の過程で姿が変わります。イモムシからチョウに変わる様子は、まさに変身です。昆虫の変身は、完全変態や不完全変態と言われるもので、成長するたびに変態して姿形が変わっていきます。この記事では、なぜ、昆虫が変態するのかを紹介しています。

昆虫は、何故、変身を繰り返して成長するの?

人間による自然環境の破壊が進んで、昆虫の数も激減しています。それでも、地球に生息する全脊椎動物と全昆虫の重さを比べると、昆虫の重さの方が多いといわれています。

地球上で最も繁栄している昆虫は、完全変態や不完全変態をして、変身しながら成長します。

完全変態と不完全変態とは、どんなもので、どのような昆虫が該当しているのかを紹介していきます。

完全変態昆虫

卵で産まれた後に、孵化(ふか)して出てくる幼虫は、脱皮を重ねて成長します。

やがてじっとして殆ど動かない蛹(さなぎ)の期間を経て、成虫になります。これは完全変態の昆虫です。完全変態昆虫は、幼虫の時と成虫では姿形がまったく異なります。

完全変態昆虫は蛹(さなぎ)の中で成虫になるために体の構造を作り変えているからです。

完全変態昆虫は、全体の殆どを占めていて、カブトムシ、チョウ、ハチ、アリ、カ、ハエやノミ等が該当しています。

不完全変態昆虫

不完全変態昆虫は、完全変態昆虫のような蛹(さなぎ)の期間はありません。その代わりに、孵化(ふか)した幼虫の時には、既に成虫に近い形で翅(はね)や外部器官が存在します。

そして、幼虫として脱皮するたびに成虫の姿形に近づいていきます。

不完全変態昆虫は原始的な昆虫(カゲロウ、トンボ、カワゲラ、バッタ、ゴキブリ、セミやカメムシ等)です。昆虫の中では少数派です。

昆虫の成長に伴う変身の意味

では、昆虫の大多数を占める完全変態の例で紹介します。

完全変態の場合は大きく分けると、「幼虫」、「蛹(さなぎ)」、「成虫」の3つの期間があります。

幼虫の時

卵から出てきた幼虫(イモムシやケムシ)は、植物の葉をひたすら食べて成長します。幼虫の時は、次の変身に備えて栄養を蓄える期間です。

つまり、幼虫の体は植物の葉を食べるのに適した姿形なのでしょう。

蛹(さなぎ)の時

蛹(さなぎ)になると、何もしていいないように見えますが、中では、幼虫時代に溜めた栄養を使って、懸命に体を改造しています。

蛹(さなぎ)は、外側を丈夫な繭(まゆ)で覆っています。そのため、防寒や、外敵に見つかりにくく、中にいる昆虫には、体の改造に専念できる場所です。

成虫

成虫になると、チョウのように空を飛べたり、花の蜜を吸ったりできるようになります。
確かに行動範囲は広がりますが、種類によっては、エサを食べないで、交尾と産卵だけをして死んでしまう昆虫もいます。

成虫は子孫を残す能力が備わり、行動範囲も広がります。大きな視点でみると、成虫の姿形は、繁殖を目的とした最終形態と考えても良いでしょう。

以上、大雑把な昆虫の成長過程を見てきました。昆虫が成長の度に、姿や形を変えるのは、その時どきで、最も適した形体なのだと理解すれば納得します。

もちろん、完全変態や不完全変態をしながら成長するのは、面倒です。

但し、昆虫が誕生した進化の過程では、骨を持たない小さな生物が変態しながら成長するのは、合理的だったのでしょう。

まとめ

昆虫は、姿や形を変えて変身しながら成長します。

その理由は、「幼虫」、「蛹(さなぎ)」、「成虫」の各々で、その時々の目的を達成するのに適した姿形をしていたと考えると納得できます。

幼虫・・・植物の葉を食べるのに適した姿形
蛹(さなぎ)・・・繭(まゆ)で覆われていて、安心して体の改造ができる
成虫・・・行動範囲が広がり、繁殖の最終形態

昆虫の変態は、まるで違う生物のように変身します。でも、その時々に応じた最も適した体を求めた結果と考えると納得するでしょう。

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