植物の葉っぱは、夏の強烈な日射しの中でも、光合成をするために必死で太陽に向かって広げられます。でも、温暖化で、じりじりと照りつける日射しを受ければ、かなり温度上昇してしまうはずです。植物は一体どのようにして、温度上昇を防いでいるのでしょう。
光合成をする葉っぱは高温でも平気なの?
植物の葉っぱは、光合成をするために、真夏の強い日射しの中でも太陽の方を向いています。
葉っぱの光合成とは?
植物の葉っぱには葉緑体があって、葉緑体に光を当てると「水」と「二酸化炭素」から、栄養になる養分と酸素を作り出します。
この時、材料となる「水」は、根から吸収して葉まで吸い上げられます。そして、「二酸化炭素」は、空気中から取り込みます。
二酸化炭素を取り込む穴は、葉の裏側の気孔(きこう)です。
光合成で、養分と酸素が作られると、酸素は気孔から排出されます。
デンプンなどの養分は、水に溶けやすい糖に変えられて、樹木の隅々まで運ばれます。
以上がおおまかな光合成の内容です。
なお、光合成で働く酵素は、タンパク質のため、高温には弱いはずです。そのため、直射日光が強い時には、不要な熱は捨てなくてはなりません。
では、熱を廃棄する方法はどうしているのでしょうか。
葉っぱが温度を下げる方法
葉っぱの熱を下げる方法は特別な方法ではなく、葉っぱから水分を蒸発させることで葉っぱの温度を下げていました。
これは、葉っぱの内部の水分が蒸発する時の潜熱(せんねつ)を奪う原理で、人が汗をかいて体温を下げるのと同じです。
つまり、夏の暑い日射しのもとでは、植物も必死になって汗をかいていたのです。
潜熱とは?
潜熱とは、物質を冷やしたり温めたりした時に、温度は変わらないのに物質の状態だけが変わってしまう熱エネルギーのことです。
例えば、液体の水が沸騰して水蒸気になる時や、氷(個体)が水(液体)なる時に
必要な熱量のことを言います。
植物の汗は、ポリエチレンの袋を被せると、目で見ることができます。ポリエチレンの袋で覆うと、植物の汗は、袋の内側に細かい水滴として付着します。
ただし、実際には、地面が乾いている時を狙って袋の中に他の水分が混入しないように注意する必要があります。
葉っぱの先端まで袋でしっかり覆われるようにするなどの配慮が必要です。ちょっと、大変そうですね。
まとめ
暑い夏の日には、植物も葉っぱの高温問題で苦しんでいることが判りました。
光合成は、植物にしかできないすごい技術ですが、植物は、葉っぱから汗をかいて温度を下げる努力をしていたのです。
常日頃から、動くことの出来ない植物には、不思議がいっぱいと思っていました。
特に、眠れないほど暑い日が続く中でも、直射日光をまともに受けている植物の葉は、どうやって温度制御をしているのだろう。など、疑問だらけでした。
また、有害な太陽光線から身を守るため、様々な色素で保護していました。(本ブログの別記事に記載しています)
植物は黙って、地道な努力をしていたのです。本当に、植物には頭が下がります。