日本の越冬トンボ

オツネントンボ 昆虫・虫
オツネントンボ

普通のトンボは幼虫のヤゴが水中で越冬しますが、日本にも、成虫の姿で越冬するトンボがいました。彼らは、何れも細長いタイプのイトトンボの仲間です。まだ詳しい生態までは分かっていないことが多いですが、こんなトンボがいただけでもワクワクします。

日本にもいた成虫の姿で越冬するトンボ

テレビ番組で見たのですが、成虫の姿のままで越冬するトンボを知りました。

日本にも、越冬するトンボがいたのです。日本の越冬トンボは、何れも細長いタイプのイトトンボの仲間です。

普通のトンボは幼虫のヤゴが水中で越冬します。

でも、涼しげな水辺で見かける、かぼそくて、ひ弱そうなイトトンボの仲間が、その姿のままで越冬しているとは知りませんでした。

次に、そんなトンボのことを紹介します。

成虫の姿で越冬するトンボ

トンボは、水生昆虫の幼虫時代に池や沼で越冬するのが常識です。それが、トンボの姿をしたままで厳寒の冬を越すものがいると知って、驚きました。

日本の越冬トンボ

日本の越冬トンボは、オツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボの3種です。

オツネンとは、越冬のことです。オツネントンボを漢字で書くと、越冬蜻蛉と書きます。ちょっと変わった名前だと思っていましたが、越冬するトンボと聞いて納得です。

《オツネントンボ》

オツネントンボは、アオイトトンボ科の褐色の細いトンボで、体長は40mm弱と普通の大きさです。(地味なカゲロウのような体色をしていますが、成長した個体は目が青色になります)

  1. 春から初夏ごろに水辺にある植物の茎や葉に産卵します。
  2. 卵は、1~2週間で羽化します。
  3. 幼虫のヤゴは、2~3ヶ月で成虫になります(7~9月ごろ)。

オツネントンボは、成虫になると、山林の木皮がめくれたところや、建物の隙間に入って越冬します。

生存域は北海道から九州までの池や沼周辺です。成虫の状態で越冬しますが、寿命などは詳しく判っていないようです。

《ホソミオツネントンボ》

ホソミオツネントンボは、オツネントンボと同じような大きさです。ホソミオツネントンボは、やや、ほっそりしていて、成長すると、ところどころに青色の節があります。この節があるため、とっても綺麗なトンボです。

但し、秋の終わり頃になると、体色は褐色になります。(恐らく、周囲の色に合わせて目立たないようにしているのでしょう。)

生存域は、オツネントンボと同様に、北海道から九州までの池や沼周辺です。但し、このトンボの寿命も詳しく判っていません。

《ホソミイトトンボ》

ホソミイトトンボは、普通のイトトンボよりも細長いスタイルをしています。ホソミイトトンボは、尻尾に特徴があります。大きさは3㎝から4㎝弱と小さめですが、体色は緑色のような青色をしていて、まるで宝石のようです。

生態は変わっていて、秋に羽化して、越冬します。そして、その翌年の春に産卵するものと、初夏に羽化して、その秋には死んでしまうものがいます。

しかも、秋になると両者の個体が混在するため、観察者泣かせの生態と言われています。

混在というのは、越冬して、翌年の春に産卵する個体と、その年の秋に死んでしまう個体が、同時期に存在するためです。

生存域は、新潟県や栃木県を北端で、南は沖縄諸島付近まで見られます。

まとめ

日本にも越冬するトンボがいたとは驚きですが、詳しい生態までは判っていないようです。

子供の頃から、細くて、か弱そうで、ふわふわと飛んでいるイトトンボには興味がありました。そんなイトトンボの仲間が越冬している姿を写真に撮れたら最高でしょうね。

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