日本のカラスの種類と特徴

ハシブトガラス カラス
ハシブトガラス

常に日本で生息するカラスは、ハシボソガラスとハシブトガラスの2種だけです。それ以外にも渡り鳥として飛来するカラスが3種いるため、日本のカラスは合計5種です。本記事では、留鳥と渡り鳥の計5種類のカラスの特徴を分かりやすく紹介しています。

日本のカラス

日本では、ハトよりも大きくて黒い鳥と言えば、大抵の場合はカラスです。カラスに関わることなら、細かい種類のことは話題にもなりません。ただのカラスで通用します。

実は、日本のカラスにも種類があって、渡りをするカラスを含めて、5種類のカラスがいます。迷鳥の2種も含めると7種ですが、本来、迷鳥は地域に生息していない鳥です。迷鳥は、悪天候などで、たまたま迷い込んだもののため除外しています。

近年では、カラスは黒くて不気味な印象というだけではなく、頭の良い鳥の代表のように言われることもあります。そんな日本のカラスについて調べてみました。

日本のカラスの種類と特徴

日本のカラスの種類のことは、正直あまり興味はありませんでした。でも、ハシボソガラスとハシブトガラスという名前ぐらいは知っていました。

日本にいるカラスは、上記の2種の他に、渡り鳥のワタリガラス、ミヤマガラス、コクマルガラスの3種を入れた5種です。

ハシボソガラス

ハシボソガラスは、全身黒光りをした50㎝程の大きさのカラスです。見た目は、ハシブトガラスに似ていますが、ハシブトガラスに比べて、スマートな体形で、くちばしも細く、額もなだらかです。

ハシボソガラスは、スマートな外見とは異なり、鳴き声は絞り出すように、グアッ、グアッと濁った声を出します。

ハシボソガラスは、開けた所を好みます。農耕地や河川敷で採食することが多く、クチバシを上手に使って草地にいる虫や植物の種などもくわえ込みます。営巣地は、都会に近い開けた環境の低木樹林を好みます。

スマートなハシボソガラスは、都会で生活する体の大きなハシブトガラスと遭遇するといじめられてしまいます。

しかし、自分の縄張りは、しっかり維持しています。

ハシブトガラス

ハシブトガラスは、上くちばしの曲がりが大きくて太く、しかも盛り上がった頭の毛は逆立っています。

その上、ハシボソガラスに比べてやや大きい(56㎝程)ので、ゴミ捨て場を散らかす汚らしいカラスのイメージにピッタリです。

ハシブトガラスは、まさに乱暴者のような風ぼうをしたカラスです。ハシブトガラスは、人を威圧しながら大都会で生活しているカラスです。

食性は、ハシボソガラスと同じ雑食ですが、ハシブトガラスの方が、肉食性が強いといわれています。

なお、都会にはカラスを襲う猛禽類(もうきんるい)が少ないことから、都会の空の王者として君臨しています。営巣地は、込み入った高木樹林を好みます。

ちょっと怖いイメージの見た目とは違って、ハシブトガラスは、カア、カアと透き通った声で鳴きます。

以上の、ハシボソガラスとハシブトガラスの2種が、1年中日本に生息しているカラスです。
次に紹介する3種はいずれも渡りをするカラスです。

ワタリガラス

ワタリガラスは、冬の時期に北海道の北東部に群れで飛来する北方系の渡り鳥です。オホーツク海沿岸に流氷がたどり着くころに渡ってきます。

ワタリガラスはハシブトガラスよりも一回り大きくて、60㎝〜65㎝のサイズです。喉元(のどもと)の羽は毛羽だって、楔形(くさびがた)の尾羽をしています。

鳴き方は、変わっていて「カボッ、カボッ」のような声を出します。

なお、ワタリガラスは、北欧神話やエスキモー、インディオなどの神話には、神の使者などで登場することで知られています。

ミヤマガラス

ミヤマガラスは、ユーラシア大陸の中緯度地域(シベリア等)で繁殖する冬鳥です。日本には越冬のためにやってきます。

ハシボソガラスよりも、やや小さいカラスで、群れで生活しています。ミヤマガラスの性格は大らかで、種類の違うカラスでも同じ群に入れて過ごします。特にハシボソガラスと食べるものの好みも似ていて、行動を共にします。

ミヤマガラスは、九州で越冬していましたが、近年では、ほぼ全国に飛来します。ミヤマガラスが成鳥になると、くちばしや足の根本の皮膚が剥き出しになって、灰色や黄色に見えます。

コクマルガラス

コクマルガラスは、日本に飛来するカラスの中では、特に小さくてハトと同じぐらいの大きさです。ベースは黒色ですが、頸部から腹部にかけて白色のものと、全身が黒色に覆われる、2つのタイプがいます。鳴き声は、キョーキョーです。

日本には、九州や本州の西部などに越冬のために飛来します。森や農耕地などで生息していて、ミヤマガラスと一緒の群を作ることもあります。

まとめ

日本のカラスの種類は、全部で5種ですが、ハシボソガラスとハシブトガラスだけが年間を通じて日本で暮らしているカラスです。残りの3種は、渡り鳥です。

次に簡単に各カラスの特徴をまとめます。

1.日本の留鳥カラス

  1. ハシボソガラス:スマートな体形で、くちばしも細く、額もなだらかです。「グアッ、グアッ」と濁った声を出します。
  2. ハシブトガラス:上くちばしの曲がりが大きくて太く、しかも盛り上がった頭の毛は逆立っています。ゴミ捨て場を散らかす、汚らしいカラスのイメージにピッタリのカラスです。見た目と違い、「カア、カア」と透き通った声で鳴きます。

2.日本に越冬のためにやって来る渡り鳥のカラス

  1. ワタリガラス:北海道の北東部に群れで飛来する北方系の渡り鳥です。ハシブトガラスよりも一回り大きいカラスで、喉元(のどもと)の羽は毛羽だって、楔形(くさびがた)の尾羽をしています。「カボッ、カボッ」のような声を出します。
  2. ミヤマガラス:ユーラシア大陸の中緯度地域(シベリア等)で繁殖する冬鳥です。日本には越冬のためにやってきます。
  3. コクマルガラス:小さくてハトと同じぐらいの大きさのカラスです。「キョーキョー」と鳴きます。
タイトルとURLをコピーしました