オランダのチューリップがどのような経緯で、経済で使われるバブルを招いてしまったのかの歴史を紹介します。内容を知ると、バカバカしいですが、人々の気持ちが踊らされるプロセスが分かります。バブルが弾ける語源にも、多くの皮肉も込められていました。
バブルが弾けた語源になったオランダのチューリップ
中世のオランダは、海洋貿易が成功して経済大国でした。市民は潤い、お金を出せば、何でも買える風潮でした。そんな時、中近東の野生のチューリップはヨーロッパに運ばれて、トルコで品種改良されていました。
チューリップがオランダに伝わると、美しさだけではなく、豊かさの象徴として売買されるようになりました。オランダには資産を蓄えた人々が大勢いいて、投棄の対象として競うようにチューリップの球根(バブル)が買い求められました。
投棄目的になったチューリップ
オランダでチューリップは、お金になると評判になりました。園芸に興味がない人からも注文されたため、育てられている球根よりも、チューリップの取引量が多くなっていました。
まさに実体のない泡(バブル)だったのです。
投棄目的で売買される球根の値段は高騰して、球根1個が家と同じぐらいの値段になりました。そうなると高すぎて買えなくなり、購入する人は少なくなります。
すると、暴落が始まって、財産を失う人々が正気を取り戻しますが、気づいた時には手遅れでした。そして、オランダの経済は一気に冷え込みます。
まさに球根(バブル)が実体のない泡(バブル)のような景気を引き起こしていたのです。これが、経済で言われるバブル現象の語源です。
その後のオランダの景気は冷え込んで、経済の中心はイギリスに移っていきます。
オランダでチューリップの人気が高まったのは、その美しさがきっかけです。
では、きっかけになったチューリップは、どんな花だったのでしょうか?
バブルをよんだチューリップは、どんな花だったの?
バブルで世界の歴史を変えてしまう程のチューリップの花とは、どんな魅力があったのでしょう。
実は、病気で生まれた花でした。
価格の高騰を招いたチューリップは、赤い花びらの一部が白い縞模様をしているものです。栽培の過程で突然現れました。希少なために値段が高騰したのです。
後で分かったことですが、このチューリップの縞模様は、アブラムシが媒介したウィルス病によるものでした。
原因を知ってしまうと、ばかばかしいですが、バブルをもたらすものは、そのものの価値だけではありません。バブルは、手に入りにくいものという要素が大きかったのでしょう。
病気にかかっていたチューリップの名前は、ブロークン(破壊)というものでした。球根のバブルが弾けて破壊したというのは、あまりにも皮肉なことでした。
まとめ
経済の世界で使われるバブルという言葉の語源について紹介してきました。
当時、世界の経済の中心として栄えていたオランダで、病気にかかったチューリップが珍しい花と認識されてしまいました。そのため、価値が暴騰して起きたものでした。
チューリップの球根(バブル)と、泡(バブル)のように消えた実態のない価値から生まれた言葉です。
考えてみると、チューリップは何も悪くありません。チューリップの花を愛でる人の気持ちも関係なさそうです。問題なのは、何でもお金に結び付けてしまう人の気持ちですね。