オウムや、スズメ、アマツバメの鳥の仲間は、人の声をマネることができます。オウムの仲間は、発生器官の筋肉量が多い事や、音を聞く、学習する、声を出す等の脳の構造が人と同じです。この記事では、オウムの仲間が人の声を真似られる理由を分かりやすく紹介しています。
オウムの仲間が人の声を真似る理由
オウムの仲間は、人の声まねが出来ます。その理由は、次のように考えられています。
- 声を出す器官の筋肉量が多い。
- 音を聞いてから、加工して、声を出すまでの脳の構造が、人と似ている。
と考えられています。
さらに、鳥は、もともと鳴くことが好きな生き物です。自然界でも、親鳥や仲間の声を真似て少しずつ鳴き声が上達します。
そんな鳥が人に飼われると、大好きな人の声を真似しようとするのは自然です。
この時、舌や喉(のど)の仕組みが人と似ている鳥は、人の声を真似ることが出来るのでしょう。
人の話声を真似できる鳥の不思議
オウムやインコは、人の言ったことを繰り返して真似ることができます。でも、改めて考えてみると、何故、そのようなことができるのでしょうか?
小さな鳥は、人よりも小さな脳しかありません。頭が良い動物と言われているサルや犬でも、人の声まねはできません。
それなのに、オウムやインコは、人が話したことを覚えています。しかも、人の口とは構造の違う口ばしで、人の言葉を繰り返すことができます。
とても不思議です。
人の声まねができる鳥
調べてみると、人の言葉を繰り返して話すことのできる鳥は沢山います。
順位をつけると、最もすごいのは、ヨウムです。以降、ボウシインコ、ワカケホンセイインコ、ダルマインコ、ヒインコの仲間と続きます。これらは、全てオウム目の鳥です。
私たちに身近な、カラスやスズメ目の小鳥も、声まねできる鳥の仲間でした。
学問的な分類では、声まねのできる鳥は、オウム目、スズメ目、アマツバメ目の3つのグループでした。
これらを特別なグループとすると、何故3つのグループの鳥だけが、人の声を真似できるのでしょうか?
人の声を真似る鳥の特徴
鳥は、肺の上にある鳴管(めいかん)という器官を震わせて声を出しています。
オウム目、スズメ目、アマツバメ目の仲間の鳥は、鳴管の周りの筋肉量が他の鳥よりも多いことが分かっています。
恐らく、彼らは、これらの筋肉で鳴管をコントロールして、人の声まねが出来るのでしょう。
特にオウム目の鳥は、脳の中にある「音を聞いた時と、声を出す時に作用する場所」が、人と同じ様な構造をしています。
これが、オウム目の鳥が、人の声まねを得意とする理由だと考えられます。
オウム目の脳の特徴
オウム目の「音を聞いた時と、声を出す時に作用する場所」とは、中脳と脳幹(のうかん)です。
中脳と脳幹は、大脳を介してつながっていて、人と同じ構造です。
ペットとして飼われているオウムの仲間は、聞いた声を学習して、声をだしています。
そのため、張り巡らされた筋肉で細かい調整をしながら、声まねをするのでしょう。
さまざまなサイズの鳥の脳神経を調べた結果は、2016年に米国科学アカデミーに掲載されています。それによると、オウムの脳には、サルの脳の2倍もの神経があることが確認されています。(両者の脳のサイズは同様なもので比較)
この結果だけで、知性との関連性まで説明することはできません。但し、霊長類にしかでき無いと言われた「道具の活用や、鏡に映る自身の認識能力は、オウムなどの鳥類も持っています。
鳥が人の声を真似る理由
人が飼っているキュウカンチョウや、インコ、オウムなどは、一緒に生活している人を仲間として見ています。
そのため、インコやオウムは、人懐こくて人のことを好きな鳥と言われています。
鳥が、人の声まねをするのは、「飼い主を喜ばせたい」という気持ちからです。飼い主が喜ぶと、彼らも嬉しいという気持ちが湧いてきて、一生懸命、物まねをするのでしょう。
まとめ
オウムの仲間が人の声まねをするのは、声を出す器官の筋肉量が多いことです。そして、一部の脳の構造は人と同じです。
ここで言っている、人と同じ脳とは、「音を聞いて、加工して、声を出す」までのルートです。
頭が良いと言われている動物のサルや犬でさえ、人の声を真似ることは出来ません。
理由は、サルや犬は、オウム目のような脳の構造ではないからでしょう。サルや犬は、人が話した声を学習して、真似をするという能力が発達していないのです。
鳥は、もともと鳴くことが好きな生き物です。自然界の鳥は、親鳥や仲間の声を真似て少しずつ上達していきます。そんな鳥が人に飼われると、人の声を真似しようとします。
この時、舌や喉(のど)の仕組みが人と似ている鳥は、人の声を真似るのことが出来るのでしょう。