大型の恐竜たちが絶滅した有力な仮説は、「小惑星の衝突説」ですが、生き残った他の生き物たちが存在するため、貧弱です。この記事では、草食恐竜が主食としていた植物による反撃説で、恐竜絶滅のシナリオを再検討しています。納得度は、深まるでしょう。
植物から見た恐竜の食害
地球上の生物は、全て植物の恩恵のもとに生きています。肉食動物は、草食動物を食べることで間接的に植物を食べているからです。
この構図は、巨大な肉食恐竜も同じでした。肉食恐竜は、草木を食べる草食恐竜を食べることで命をつないでいます。これは、植物から見ると動物による食害です。
恐竜が繁栄した中生代ジュラ紀後期から白亜紀にかけて、裸子植物は草食恐竜に食べられないように巨大化しました。すると、直ぐに草食恐竜も巨大化したため、シダ類のような裸子植物は、あいかわらず草食恐竜の主食になっていました。
しかし、植物も進化して、巨大な草食恐竜に対抗しようとします。
恐竜絶滅を呼び込んだ植物の反撃とは?
現在、恐竜絶滅のシナリオとして最も有力な仮説は、小惑星の地球への衝突に伴う、粉塵まきあげによる地球環境の寒冷化説です。
恐竜絶滅の仮説は、さまざまなものがあってそれぞれ興味をそそられます。小惑星衝突説の次に有力な仮説には、有毒成分を持った植物の反撃説があります。
有毒成分を持った被子植物
恐竜が繁栄する中で、植物も漫然と草食恐竜の主食になっていたわけではありません。
草食恐竜に対抗するかのように出現したのは被子植物です。被子植物は、白亜紀の初め頃の寒冷化していく地球で生まれました。
被子植物は、大型の木本から小さな草本へと進化を遂げています。
植物は小型化して草本になると、直ぐに成長して花を付けられるようになります。
その結果、昆虫による虫媒花(ちゅうばいか)も助けとなって、短いサイクルで世代交代できるようになります。
短サイクルの世代交代は、進化のスピードを加速してくれます。
被子植物の進化
被子植物は、草食恐竜に食べられないように、消化吸収できないような毒成分を持つようになりました。
被子植物は「アルカロイド」という毒成分を身につけたのです。
哺乳類は、毒を苦味などで認識しますが、爬虫類には判らないと言われています。草食恐竜も、毒成分を見分けることができなかったのでしょう。そのため草食恐竜は、大量に食べて中毒死してしまったと考えられます。
つまり、草食恐竜は進化の速い被子植物に対応できなかったため絶滅してしまった。
まとめ
私は、子供の頃から巨大な恐竜のことが大好きでした。大きくて、強くて、怖そうな生物が地球上に存在していたことを想像するだけでワクワクします。
そんな巨大恐竜が何故絶滅してしまったのでしょうか?
地球への隕石衝突のニュースにふれるたびに、「小惑星の地球への衝突説」は、最も有力な現実的な仮説だろうと思っています。
しかし、恐竜が絶滅した時期にも、生き残った生き物は存在します。ちょっと、腑に落ちません。
そこで恐竜絶滅のシナリオを次のように想像してみました。
- 小惑星の地球への衝突でも熱風や巨大津波によって壊滅した地域と、災害を免れた地域に分かれるでしょう。難を逃れた地域の恐竜たちも徐々に地球環境の寒冷化にさらされます。地球の寒冷化は、小惑星の衝突による粉塵まきあげで太陽光線を、数10年間もさえぎるからです。
- 巨大な裸子植物も地球の低温化にともなって減少します。
- 生き残った草食恐竜たちは、被子植物も食べるようになりますが、被子植物が毒成分を持ったことで、とどめを刺されるように絶滅してしまいます。
- 肉食恐竜は、主食の草食恐竜がいなくなったため、哺乳類などを食べようとしますが、低温化しても、すばしこい哺乳類を捕獲できません。
そのため、大きな恐竜たちは、地球上から姿を消してしまったのでしょう。これが、恐竜絶滅のシナリオです。