鳥の体温は大抵40℃〜42℃に保たれています。哺乳類と同様に恒温動物だからです。でも何故、これほど高体温なのか。この記事では、高体温のメリットとデメリットや、鳥類が高体温を維持できる秘密などを紹介しています。
鳥類の体温が高い理由
鳥は、哺乳類と同じで、自分の体で熱を作り出して体温を調節している恒温動物です。但し、一般的な鳥の体温は、40℃〜42℃と高温です。
鳥類の体温が何故、哺乳類よりも高温なのかは確認できていませんが、動物の生理的能力は体温の上昇とともに増加します。このことから、次のことが推測されます。
体温を高温化する理由(推測)
鳥類は、飛行するために、次のような身体を獲得しました。
これは想像ですが、
「鳥は、身体能力を最大限に発揮するために、体温を高温化して能力の増強をしているのではないでしょうか。」
- 軽い骨格と、軽くて力強い筋肉
- 高代謝効率と高酸素供給を確保するために、特別な循環器系と呼吸器系を所有
高体温化した場合の能力
一般的に動物の生理的能力は体温の上昇とともに増加すると言われています。
体温が10℃高くなると、神経刺激の伝達速度は1.8倍になって、筋肉収縮の速度は3倍になると言われています。
このように、体温を高温にすると能力は向上しますが、代償も大きくて、次のようなデメリットも生まれます。
高体温化した場合のデメリット
鳥が高体温を維持するには、爬虫類の20〜30倍のエネルギーが必要になります。しかも、高温を保つとオーバーヒートによる、死のリスクも増えてしまいます。
仮に、体温が46℃を超えると細胞内のたんぱく質の修復は破壊に追い付かなくなってしまいます。こんなことが、脳内で起こると致死的な生化学反応が起こってしまうでしょう。
鳥が高体温を維持するための秘密
両生類や爬虫類も体温が高くなると素早い動きで逃げることや襲いかかることができるようになります。但し、持久力が続かないため、直ぐに動けなくなります。
それに比べて、体温を40℃近傍に維持している鳥類は、素晴らしい持久力を持っています。
特別な体温調節機構
鳥類のような素晴らしい体温調節能力と持久力を持つには、体細胞への膨大なエネルギー供給と急速な酸素の供給が必要です。
鳥類には、飛行するための高代謝効率と高酸素供給能力を持っています。又、鳥類には極限まで軽量化して省エネに貢献する体の構造などが有ります。
鳥類には、空を飛ぶために、軽い骨格と、軽量で力強い筋肉、高代謝効率と酸素供給の能力を持つ循環器系と呼吸器系があります。
空を飛ぶために獲得した体の機構が、結果として秀でた体温調節機能などにつながったのでしょう。
まとめ
鳥の体温は、大抵40℃〜42℃に保たれています。哺乳類と同様に恒温動物だからです。
哺乳類よりも体温が高い理由は、高温の方が、活動能力が増すからでしょう。おそらく、空を飛ぶために卓越した運動能力が必要なのです。
ただし、体温が高くなると、さまざまな副作用もあります。
鳥が高体温を維持するために得たことは、軽くて力強い筋肉、高代謝効率と酸素供給の能力を持つ循環器系と呼吸器系の獲得です。
鳥類は、体に悪影響を及ぼすと分かっていても、空を飛ぶために高体温にならざるを得なかったのでしょう。