ハヤブサは、世界一の速度で飛行します。しかも肉食です。小鳥にとっては嫌な相手でしょうが、現在では、都会でも生息しています。そんなハヤブサにも絶滅の危機はありました。この記事では、ハヤブサの危機を分かりやすく紹介しています。
大都会にも生息するハヤブサ
ハヤブサは、地球上で最も速い生き物です。陸上で最も速いチーターは秒速33.5mという記録を持っていますが、ハヤブサが獲物を獲る時の急降下では、秒速108mという記録があります。
ハヤブサは運動能力抜群の鳥です。森林がなくても、太ったハトが沢山いる大都会のロンドン等は、ハヤブサの格好のエサ場です。そのため、都会でも多くのハヤブサが生息しています。
そんなハヤブサでも、絶滅の危機はありました。
ハヤブサの危機
ハヤブサは運動能力抜群の鳥ですが、次のように絶滅の危機はありました。
イギリスの航空省から睨まれたハヤブサ
第二次世界大戦では、ハトは伝令をするための重要な戦力でしたが、伝書鳩はハヤブサに簡単に襲われてしまいます。
ハトがハヤブサに襲撃されると伝令は伝わりません。戦争時の伝令は、戦績に影響するため、ハヤブサはイギリスの航空省から目の敵にされてしまいました。
イギリスの航空省から攻撃を受けたハヤブサは、大幅に数を減らしてしまいました。
《イギリス航空省がハトに託していた伝令情報》
伝書鳩は、飛行機が撃墜された時に、司令部に危急を知らせるために戦闘機に乗せられていました。こんな重要な情報がハヤブサのために届かないというのは、その任務を担う部門にとっては死活問題だったのでしょう。ハヤブサが数を減らした理由もわかります。
強力な武器を持っている戦闘員を敵に回した、ハヤブサはアンラッキーでした。戦争が終わる頃には、ハヤブサの数は激減していました。
ところが、ほぼ全世界に分布していたハヤブサは、その後の保護活動で急速に数を増やして、1955年には、イギリスでも戦前と同じくらいの復活をとげています。
農薬によるハヤブサの危機
第二次世界大戦後、順調に復活していったハヤブサでしたが、その後、減少し始めました。
ハヤブサのテリトリーは確保され、豊富なエサ場もあるのに何故か、雛(ひな)が育ちませんでした。
その後の研究で、理由は判ってきました。それは、農薬に使われていた殺虫剤のDDTが影響していたのです。
ハヤブサなどの猛禽類(タカ、フクロウ等)は、小さな鳥を何100羽も食べて生きています。そして、小さな鳥は農薬にさらされた穀物を食べているので、ハヤブサの体内には濃縮された農薬(DDT)が蓄積されていたのです。
農薬の影響で、ハヤブサの卵殻のカルシウム分が少なくなって、雛が孵(かえる)時期よりも前に、卵が割れてしまっていたのです。(ハヤブサ以外の猛禽類も同様でした)
このことが判ってきてからDDTの農薬散布は世界中で禁止され、ハヤブサの数は世界全域で回復しています。
まとめ
世界一速くて、鳥類の食物連鎖の頂点にいるハヤブサでも、人間が作りだした毒で絶滅してしまう危険があります。
人の行動は他の生き物たちの生死に大きな影響を与えています。また、人は地球上の生物の食物連鎖の頂点にいます。ハヤブサの危機は、まさに人類への警鐘と言っても良いでしょう。