フジバカマは、人々は魅了します。フジバカマは、万葉の昔から日本人の心を捉えた植物ですが、現在は自生環境が減って準絶滅危惧種に指定されています。桜の葉の香りがするため、匂い袋などにも使われてきました。記事では、フジバカマの魅力を紹介します。
フジバカマとは
フジバカマは、古い時代から人々の心を捉えて、日本人の心を和ませてきました。
私は、フジバカマの自然な姿をテレビ映像でちらっと見ただけですが、無性にフジバカマのことを知りたくなりました。次に、調べた結果を紹介します。
フジバカマの概要
フジバカマは、キク科の多年生植物で、秋の七草の一つに数えられています。中国から日本に入ってきた植物ですが、本州から九州まで分布していて、万葉の時代から日本人に親しまれていました。
フジバカマは、茎の先に小さな花を付けて、束ねたように咲きます(頭状花)。川原の湿った草原などで、群生します。ただし日本では、自生環境が減って準絶滅危惧種に指定されています。
大きさは、草丈(60〜120㎝)で、花は夏の終わり頃から秋の初め頃まで見ることが出来ます。
フジバカマの花色は、もやっとした白や薄紫のような淡い色合いが多く、ナチュラルガーデンにも似合うでしょう。
フジバカマの香り
フジバカマは、生育している時には匂いません。但し、乾燥すると、葉っぱや茎内にある芳香成分の、クマリン配合体が変化して桜餅の葉の匂いを漂わせてくれます。
中国では、フジバカマのことを、芳香を意味する、蘭(らん)を使って、蘭草(らんそう)や、香水蘭と呼称します。そして、アロマセラピーや、匂い袋として活用しています。
フジバカマの魅力
フジバカマに惹かれるのは私だけではありません。そんなフジバカマには次のようなさまざまな魅力があります。
- 淡い色の線香花火のような花。
- 野趣に溢れる群生。
- 枯れると桜の葉の香りを楽しませてくれる珍しい花。
- 古い文学に登場して、人々の気持ちをロマンの世界に引き入れる花。
- 渡りをする蝶(アサギマダラ)が蜜を吸いにくる花。
まとめ
フジバカマは、テレビの天気予報か何かで、ちらっと見ただけです。ところが、それ以来、群生している、フジバカマの魅力に惹きつけられてしまいました。
フジバカマを一目見ただけで、何故か、ロマンを感じてしまいます。フジバカマは、日本の最古の和歌集とも言われている「万葉集」にも登場します。さらに、与謝野晶子は、物語の面白さを伝えています。
また、紀貫之は、古今和歌集の中で、フジバカマの香りに忘れられない人の思慕を託した歌を詠んでいます。
源氏物語にも登場しています。源氏物語では、求愛の時にフジバカマを使う様子なども記載しています。このような事例をみると、フジバカマは古い時代から日本人の心を揺さぶっていたことが判ります。
私は、歌人の歌にも登場するフジバカマの本当の魅力を理解していないのかもしれません。何時の日か、フジバカマの群生地域を訪れて、フジバカマを堪能(たんのう)しようと思います。