ペンギンが感じられる味覚は、たったの2種類でした。この記事では、何故ペンギンが2種類のみを感じるようになったのかを分かり易くまとめています。
▼目次
1.動物やペンギンの味覚とは?
味覚には、「酸味(すっぱい)」、「塩味(しょっぱい)」、「甘味(あまい)」、「苦味(にがい)」、
うま味(うまい)」とさまざまな味があると思っていましたが、動物の種類によって味覚は違っていました。
最近になって味覚受容体と呼ばれる遺伝子が見つかって客観的に分類できるようになったため、動物たちの味覚が判るようになりました。
個人の好みが違うのは、味覚受容体が少しずつ異なるためですが、動物の種類という大きなくくりで見ると、味覚受容体が壊れて消失してしまったものも確認できました。
ネコ科動物は肉食、アザラシやアシカは魚食に特化しているため進化の過程で甘味受容体遺伝子が壊れてしまったためと考えられています。
イルカ、クジラ、などの海に棲む哺乳類も同様に甘味受容体を失っていますが、ラッコだけは保持していることが判っています。
そんな中で、ペンギンの味覚は、2種類しかないことを知りました。
1-1.ペンギンの味覚の種類
ペンギンの味覚を遺伝子調査で確認したデータがあります。
- 調査したペンギン種:(アデリー、エンペラー、ヒゲ、キング、ミナミイワトペンギン)
- ペンギンが持っていた味覚:「酸味」と「塩味」の2種類のみ
2.ペンギンは、何故「酸味」と「塩味」のみを感じるのか?
ペンギンは、海で魚などを餌にしています。しかも、餌を丸のみします。
ペンギンは、しょっぱい海水と一緒に魚などを飲み込むため、「酸味」や「塩味」などを感じられれば良いのでしょう。
人は、さまざまな食材を味わいながら、うま味や甘味、苦味、なども感じて食べます。それに比べて、野生動物のペンギンは、生きるための餌を食べることが出来ればよいのです。
きっと、ゆっくりと味を確認しながら食べるようなことは、生存競争の激しい野生の世界では無理なのかもしれません。
何らかの不具合があって海水の味に異常があった時のみ、「変だ」と感じられれば良いのです。そのため、ペンギンは海水の味として感じられる「酸味」や「塩味」の2種だけの味覚を持つようになったのでしょう。
3.ポイントのまとめ
味覚を分類すると、「酸味(すっぱい)」、「塩味(しょっぱい)」、「甘味(あまい)」、「苦味(にがい)」、うま味(うまい)」に分けることができます。
最近になって味覚受容体と呼ばれる遺伝子が見つかって客観的に分類できるようになったため、動物たちの味覚が判るようになりました。
動物の種類によって、感じられる味覚には違いがあったのです。
ペンギンの味覚は、「酸味」や「塩味」の2種類のみで、他の味覚受容体は消失してしまったと考えられています。
野生動物にとって最優先事項は生き残ることで、獲物の味を味わうような余裕はないのでしょう。但し、餌を食べて死んでしまわないようにしなければなりません。
そのため、ペンギンは、餌と共に飲み込む海水の味に異常がないことが判るように注意しています。これが、ペンギンに感じられる味覚が、2種類になった原因でしょう。